勝利のための一歩。
敗れるまえに――敗れ!
異能者たちは、銃の特性とインターセプターの特殊性を逆手に取ることにより、無力な戦闘兵器へと墜落させた。
ただし、
その墜落された戦闘兵器は新型となり、再び、異能者たち――いや、アニーを撃墜にするために。いまか、いまか。と、
欠点である直線運動を克服し、曲線運動することを許されたことにより、機動力を手に入れた。もう、回避したとしても逃がすことはない、追いかけ撃墜する。
世界最強の座という領空侵犯したモノを。
まさに、名の由来――来攻
絶望的なアニーの敗北を勝利に導く道は一つだけ。
前に、前に、前に、前進するだけ。
「勝負!」
掛け声が会場に響いた直後アニーは、一直線に主水に走り寄りながら
「ぎゃー」
と、
情けない声とM1911A1の発砲音が。
叫んだのは聞こえた。が、主水がどんな叫び声だったのか分からなかった。アニーは勝負に勝つために思考していた。
そして試行される。新型、インターセプター対策を。
避けられないなら――
――――当たって砕けろ!
撃ち出された弾丸に向かって、パリーイングダガーを飛びナイフの要領で当てた。目の前に生み出される高次元物資で発生したプラズマの渦。
――飛び込んだ!
それは、
核分裂反応のような連鎖反応がなく、原理的に暴走が生じない。核融合反応し、発生したプラズマ現象は、暫定的で維持しない。
なら意図的に発生させ。限界まで
プラズマの渦から美少女が、右手にレイピアを
「う、ぎゃー」
と、
また。情けない声を出しながら、バックステップで後方へ逃げながら、発砲する主水。
後退する必要性が。
拳銃と言えば近距離武器のイメージ。だが、実際は最大射程、約五○メートル。これは国際大会で水泳競技に使用されるプールの規定距離とほぼ同じであり。有効射程、約二五メートルは学校に備え付けてあるプールの距離が、二五メートルである。
魔弾、
ようするに。高次元物資の核融合反応で生み出された、プラズマの渦に自身も巻き込まれてしまう。だから主水は近接戦闘でインターセプターを使わないことは、異能者たちに周知されている。
過去歴史上で最強と呼ばれた者たちなかでも、最強と呼ばれながらも。なお安全圏から攻撃してくる戦い方を選択する男であると――
他の異能者たちから……いい意味でも…………悪い意味でも………………。
その悪知恵の働く男を。いま、アニーは
再度、発砲した弾丸に、パリーイングダガーを器用に投げ当て。目の前に光り輝きながら大気を吸い込むプラズマの渦が見える。が、
真っ直ぐに、常に主水に向かって、真っ直ぐ。
追尾機能が搭載された
アニーは、身をもって体験した。
そう、
避けるから、インターセプターは曲線運動する。
では、
避けずに一直線に向かっていけば、自ずと直線運動に。
主水がアニーが真っ直ぐ全力疾走して来たときに―――― “ぎゃー”や"う、ぎゃー”と叫んでいたのは、弱点を見抜かれたうえに、計画が破綻したから。
短期決戦を仕掛けて来るのは、アニーの状態を観れば
彼女、
勝ち気なアニーの性格なら間違いなく、正面切って鬼ごっこする。回避運動を屈指して、無理くりにでもインターセプターから逃げ振り切ってみせ。
と、
想定し試行する予定だった主水の戦術は。
回避行動したら移動先に撃ち出せば、勝手に挟み撃ちになり、試合終了。ジャンプして上空に逃れる愚策すれば、容赦なく全弾発射させて、試合終了。意図的にプラズマ現象を発生させれば、あるタイミングで魔弾を撃ち込んで
しかし、
戦闘に関して、アニーは――
一回、主水が披露した手品の仕掛けを看破し、最善策を実行していた。
アニー・ヴルガータ。も、世界に名が知れ渡っている、魔闘士の一人である。
(イケる!)
主水との間合いが縮まっていた、明らかに。
…………、…………。
倒れていた。砂まみれになって地面に
左足の
――流れる鮮血。
「ナニもないところでコケて。ドジっ子属性なんですね、アニーさんって」
素人、丸出しの下手糞な、芝居、がかった演技している――男を見上げる。
見下ろしている男の左手に、
ある秘密情報部のエージェントが出てくる物語で、
新型、インターセプターに攻略することを重視してしまい。最も大事なことを忘れていた。
この世界最強の異能者である、
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