第7話 結論
捕まった進也の奥さんが、テレビの報道で『夫が別れてくれなかった』と供述がされていた。
殺害を実行した男と奥さん自身も不倫関係にあったらしい。その男と子供たちと過ごしているところを進也が目撃されたこともあったらしい。その男に進也は莫大な謝罪金を要求していたことも報道ではされていた。
奥さんの恨みで、殺人を犯したのかと思ったが、男の相当の恨みもあったのかもしれない。
確かに進也は何かとプライドの高い男だった気がする。どのお店に行くにしても、少し高そうだったり、お洒落なお店を選んでいた気もした。進也自身が不倫をすることは無頓着なのに、奥さんに不倫されたことが、本当に許すことができなかったのだろう。それに、奥さんが家を出れば済む話じゃないかと思った。ただなぜ、そうしなかったのかは謎だった。
また、奥さんの父親が経営する会社に進也が働いていたたがテレビ報道で流れてきた。そんなこと、進也からは1度も聞いたことはなかった。将来は社長という地位だったのだ。だから、進也は離婚の話が成立させたくなったこともあったのだろうと勝手に納得し始める。詮索しても、真実が分かる気がしなかった。そんなことを明日香は何も知らず、前の夫と離婚していたのだ。呆れの気持ちが込みあげてきた。奥さんは妥協策が見つからず、限界に達し殺人が起きてしまったのかもしれない。明日香は憶測で何も分からないが、進也に対して軽蔑の気持ちが沸々とわいてきた。
もう、忘れて前に進むしかない。そんな時に限って、思い出してしまう進也の笑顔。いつもセックスが終わると、微笑んでいる顔が明日香の脳裏に浮かんだ。進也を殺したいと思ったことがあるとしたら、今かもしれない。新しい命さえ諦めてしまったこともある。目の前にある荷物を段ボールに詰め込むことに意識を向けた。とりあえず、引っ越しの準備を進めて行こう。進也と過ごしたベットは捨ててしまうおう。
進也が明日香と付き合わなければ、殺されなかったのか。いや、あれは奥さんの方の不倫も絡んでいる。明日香が自問自答しても、決して答えはでない。納得できる質問もでなかった。
明日香は女の子を出産した。そして、その子を赤ちゃんポストに預けた。
答えと質問はない。 一色 サラ @Saku89make
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