40話 年末はくだくだ過ごすものだよね! 中編

日はまっすぐ上から僕たちを照りつける。丁度お腹も空いてくる頃だ。


「そろそろ出かけよっか。」

「そうだね。3人にも言っておくよ。」


問いかける繭にそう返し、未だソファに座って談笑している3人に話しかける。


「お昼ご飯食べるから準備しといてね。」

「分かりました!」

「わかった〜!」

「はい…ありがとうございます。」


3人は笑顔で出かける準備を始める。それを見ながら僕も準備を始めた。

数分して5人が玄関に集まる。


「じゃあ行こっか。」


そう言って玄関を開けると、年末に相応しい寒さを纏った風が吹く。多少寒いのを予想してモコモコの服を着ていて良かったと思う。

玄関から出て、適当にぶらぶらと歩く。サクサクと積もっている雪を踏んで歩くのは結構楽しい。周りは1面の銀世界、村の人たちもモコモコの服を着て暖かそうだ。


「ここ、いいんじゃない?」

「そうだね。ここにしよっか。」


着いたのはお蕎麦屋さん。初めて見るお店なので最近出来たのだろう。カランカランと鳴るドアを開けてお店に入る。


「いらっしゃい!」


店の中に入ると元気な声が響く。僕達を出迎えてくれたのは元気そうなお兄さんだった。そのお兄さんに連れられ、席に着く。受け取ったメニュー表を見て、何を食べたいかを話し合うことにした。


「みんな何食べたい?遠慮は大丈夫だよ。」

「私はざる蕎麦かな、美味しいし。」

「私と茶眩は天丼蕎麦!」

「えっと…、私も緋莉ちゃん達と同じので。」

「わかったよ。」


それぞれ頼むものも決まったので、先程のお兄さんを呼んで、注文をする。その間に、ちょっとだけ楓ちゃん達の学校の事の話をして貰った。


「そういやさ、楓ちゃん達っていつ仲良くなったの?」

「私が入学して1人の時に、緋莉ちゃんと茶眩君が話しかけてくれたんです。」

「1人で寂しそうな感じだったから、私も楓ちゃんみたいな可愛い子と仲良くしたいし!」

「優しいね。2人とも。」


と、話しているとお兄さんお蕎麦を持ってきた。


「お待たせしましたー!」


目の前に差し出されたお蕎麦をみる。美味しそうだ。それを汁に入れて啜る。香り、味共に美味しい。あっという間にそれらを食べ終え、お金を払って店を出る。

そのあとは近くの湖を見たり、神社に行ったりして日が暮れるまで楽しんだ。家に着くとすぐに夜ご飯の準備をする。いまさっきご飯を食べたように感じるのは、久しぶりにみんなで出かけたからか、時が進むのが早く感じるからだろう。

今日の夜ご飯は唐揚げということになった。直ぐにそれらを食べて、この後の予定の準備をする。

今日は楽しい夜になりそうだ。

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