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悲壮に嘆くお嬢様の後ろ姿
夕焼けに映しだされたそのお姿は
お心の底の叫びのよう
わたくしに 何ができると言うのでしょう
されど 何もせずにいられましょうや
夕焼けが 引き裂かれたお嬢様の血のようで
金貸は 1か月待ってやると高笑いをして
ボロネズミの様な鬘をふりみだし
歯っ欠けた口から唾を飛ばして帰って行きました
どうして渡すことができましょうや
わたくしが お小さな頃よりお仕えしたお方です
宝石の雫のごとき大切にお育ちになられたのです
悪魔は あからさまに迫って来ると言うのに
姿を現しては下されぬ神様を 恨めしくも思い
しかし 神様は ちゃんといらしたのです
外交官様が 巷の噂をお耳にし
わたくしは 金貸をはったのでございます
行きつけの安酒場に蹲って
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