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柔和なお嬢様のお顔が きつくなられました
急に 人を避けられるようになられたり
お屋敷の門を 堅く閉ざしてしまわれたり
心に植えた一房の勿忘草を握り締め
ずっと強く 頑ななまでに
心をお閉めになってしまわれました
それも仕方のないことでございましょう
旦那様が あの様な目にあわれたのですから
それでも旦那様は 充分な資産と権利を残されました
しかし 奥様は なのに 奥様は
とり憑かれておしまいになられたのです
どんよりとした雲が 取り払われたかと思えば
一年の喪が明けるか否や
突然 思いたったかのように
堅く締められた門を 開け放ったのでございます
奥様のはしゃぎように お嬢様も良き徴候かと
いえ それは 善からぬ前兆で
動き出しら止まらないんのでございます
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