第50話

「俺達を納得させるだけの対価を寄越せ。それが不可侵の契約を破ったせめてもの償いというものだろう?」




「今何て…不可侵…といった?アナがそんなことを…?」




「ティナ嬢はその場にいなかったのですから知らなくても当然ですが、これは王族間に結ばれた契約ですわ。お互いの領地に踏み入ることを禁ずるとアナスタシアの母上が交わした契約ですわ。勿論アナスタシアもその場にいた…今は居ませんがティナの母上もいたんですよ?」



「今はあの女の話はいい。不可侵といったな?何故アナスタシアがその禁を破ったのですか」




「その呪術具を盗みに入ったのでしょう?ねぇアナスタシア?」



「…えぇそうね。無駄だったけれど」




「まったく使い方を知らない小娘が適当なことを言うもんではない。その呪術具は確かに呪いを吸い続けた。…が誤った使い方をしたので壊れただけだ」



「…誤った使い方…だと?」



確かに呪術具をしたとき私の呪いは吸われなかった




「その呪術具を盗ったのは正解よ。本来の使い方であれば呪いは完全に消える」



これ以上言い争っていてもきりはなかった


「…対価ねえ…?」




「あ、あの…でしたら…ノヴェル家に伝わる秘術でも…」


ストップと言わんばかりに私の口を押えられた


「ティナ嬢になんでもさせるのは姉としてどうなのかしら?女王の座も彼女に押し付けたくせに少しくらい姉としての責務を果たしたらどうなの?」



「それもそうか…ならばテンペスタ家が保有している私領地の一部と熱資源の提供でどうかしら」



「ふむ、それでいいわ。いいわね?ロナウド」



「ハンナがそれでいいなら構わんさ」



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