第14話 運命の出会い?

 (今までのあらすじ)

「 私は鈴木桃子19歳。建築学部の建築工学科に通う大学1年生。父が小さい頃に病気で亡くなり、タイムマシンを作って過去へタイムスリップして、父を生き返らせることができないか考えている。」


「第14話 運命の出会い?」

 桃子がいつものように図書館で、相対性理論の本を読んでいると、男性が近寄って来ました。桃子は誰か近付いて来るなと気配(けはい)を感じ、ちらっとそちらの方を見ました。すると、知らない男性でした。桃子は誰だろうと思いましたが、特に何も反応はせず、相手の次の行動を待ちました。

 「あのーすみません・・」なんと、知らない男性が桃子に声をかけてきました。

 桃子は、びっくりしました。(えっ!どういう状況・・)桃子は動揺した。

 「君、その本好きなの?」知らない男性は桃子に話しかけてきた。

 「えっ!あっ・・はい。」桃子はいきなりの質問なので、うまく返事ができなかった。桃子は、これは、もしかしてナンパされているのかもと思いました。

 私に一目惚(ひとめぼ)れして、無理矢理、話題を作ろうとしているのか。そうなのか。男性から声をかけられた経験があまりないので、桃子は少しどきまぎした。

 男性の顔をみると、わりとイケメンのような気がしました。桃子はタイプかもと思いました。

 「相対性理論良いですよねー。」男性は、本の表紙を見ながら言った。

 「そうですねー・・・。」桃子はこたえた。もう少し、会話がスムーズに続くように、もっといろいろしゃべりたいとは桃子は思うのだが、コミュ障なところがあるのでうまく言葉が出てこない。心の中ではその後も会話は続いているのだが声としては出てこないのだ。桃子は、相手は相対性理論になんか興味ないけど、一目惚れした私と会話したいから無理矢理、相対性理論とか言っているんだろうなと思った。

 「私、小野寺(おのでら)って言うんですけど、サークルに入っているんですよ。」

 「そうなんですか・・・。」桃子は、急に相手が自己紹介してきたから、そらに動揺してしまった。(えええ、マジでこれナンパなのか!てゆうかナンパってっ普通いきなり、自己紹介するものなのか。わからん・・・。世の中の女性の8割は、ナンパの経験があるらしいけど、その8割のナンパなのか。ナンパって最初、「今、何しているところなんですか?」とか 「暇なら一緒に食事でも行きませんか?」とか言うもんじゃないの?)と思った。


 「ポスト・ニュートン展開を使えば、一般相対性理論の式をきちんと解く必要がないですよね。」男性はいきなり専門的な話を始めた。

 「そう・・・そうですよねー・・。」桃子は、ニュートン展開とか聞いたこともなかったのですが、相手との会話をできるだけ、ひきのばしたいので適当な返事をしました。しかし、桃子は思った。

 (これって本当にナンパなのか。もしかして相対性理論とかそっちに興味あるだけの人なのか。どっちなんだ・・。)

「良かったら、うちのサークルに入りませんか?」男性はそう言って、サークルについて書かれた紙を私に渡(わた)し、サークルに誘ってきた。

「ええと・・・。」桃子はあいまいに返事をした。

 (あれ、これサークルの勧誘(かんゆう)だったのか。人数が少ないから誘ってきたのか。でも、やっぱり私が可愛いと思ったから誘ったのか・・。どっちなんだ・・。)

 桃子は心の中で会話をしました。

 「考えときます・・・。」桃子は、サークルに入るとかいきなり決められないのでそう答えました。

 「時間ある時に1度見学に来てください。」男性はそう言って、去っていった。(なんだったんだろう・・。あの人・・・。)

 これが桃子にとって運命の出会いになるとは、その時の桃子は考えもしませんでした。

(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る