第4話「消えたネズミのおもちゃの謎」

 晴れた日の前の日も晴れていた次の日のことなんだ。

 晴れてる日なんだよ。

 ミコちゃんのネズミのおもちゃ二つあるから、一つ口で咥えたんだ。そうだ、マーブルおばあちゃんに持って行こう。ミコちゃんまだ寝てるし。

 走った。ネコドアだって、ちょい押しで開けたし、マーブルおばあちゃんのブロック塀にだって、咥えたまま登れるよ。おもちゃ小さいし。マーブルおばあちゃんのお尻のとこ、尻尾のとこにポトリと置いた。

「おやまあ。それは、いったい、ないんだい」

「マーブルおばあちゃんのネズミのおもちゃ。ここ、青いやつね。赤いのはミコちゃんの。

 ここに、置いとくよ」

 マーブルおばあちゃんは尻尾を一度、ブロック塀の上でふさふさと振る。そして、下を見る。

「ほら、そこに落ちてる青いネズミのおもちゃ、チャチャさんに持って行ってあげなさい」

「はーい」

 今日は大忙しだよ。チャチャさんにも持って行かなきゃ。

 

「チャチャさんびっくりしてたさ。動かないネズミ、かじっても食べられないネズミ。こんなの欲しかったって」

 ミコちゃんまだ、寝ぼけてる。

「ネズミのおもちゃ勝手にね、いなくね、なるも」

 ネズミのおもちゃがいなくなった。それって、

「ドロボウだよ」

「どろろん。では、このへんで、どろろん」

「いや、眠らなくっていいから」

 ドロボウ、大変だよ。

「誰が犯人なのか、マーブルおばあちゃんに聞いてくるね」

 走るよ。良かった、まだ日向ぼっこ中だよ。

 あれれ、マーブルおばあちゃんのお尻のとこ、尻尾のとこにいたネズミのおもちゃいないよ。

「ミコちゃんのネズミのおもちゃもドロボウなんだよ。マーブルおばあちゃんのネズミのおもちゃもドロボウなのかな、いないよ」

「いないね」

「犯人教えてよ」

「そうさね、犯人はオマエダ」

 やっぱりすごい、マーブルおばあちゃんはすぐに犯人分かっちゃうんだ。帰ってミコちゃんに教えなきゃ。「犯人は分かったよ、犯人はオマエダ」

 それを聞いて、ミコちゃん目をパチクリしたけど、ミコちゃん何度目かの寝直し。遊ぼうよつまんないよ。ってチビミケも寝ちゃっていたんだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

探偵猫マーブルの弟子 吉高 雅己 @yositakamasami

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ