第20話 噂
眠り姫さん改め浜辺くん(昨日追加したアカウントの名前に「浜辺葉幸」と表示されたことから判明)と話をしてから1日が経ち、私はいつも通り7時50分に学校にやって来ました。
でも、何か変な感じがします。教室に入った時もそうでしたが、今も周りの人達が私の方をちらちらとみては目が合うと気まずそうに目をそらすのです。
「ココナッツ、噂ってほんと?」
何があったのか、と考えていると美雪ちゃんが私の席にやってきて話しかけてきます。
「噂…ですか?」
噂、と聞いて最初に思い浮かんだのは昨日も眠り姫さんと話したものと同じものでした。
しかし、次の美雪ちゃんの言葉に私は言葉を失ってしまいます。
「ココナッツがほんとは好きな人いないんじゃないかって噂、知らない?それで、ココナッツが好きでもない相手にそれっぽく接して告白されたら断って…それからは一切関わらないようにその人を避けてるって噂なんだけど……」
「え……」
全く身に覚えがありません。好きな人がいないということに関しては否定出来ませんが、それっぽく接するというのは恐らく好意があるように見せかけて行動するということでしょうしそんな覚えはありません。
それに一切関わらないようにするなんてしたつもりはありませんし、むしろ相手の方から避けているようにすら思えるほどでした。
「もちろん、私は信じてないしこんな噂少なくともこのクラスの人は信じてないと思うよ?でも──」
「男子の間でかなり広まってるみたいだ。振られたことに腹を立てて逆恨みでやってるんだろうと思うが……笑えないよな」
美雪ちゃんが話しているところに、クラスの男子がわって入ってきます。
「どう、しましょうか……」
「とりあえず、俺やクラスの奴らは噂を否定して回るつもりだ。噂の中心の宝田は動かない方がいいかもな……。本人が否定したって噂を流してるやつは面白がって更に広めるかもしれないしな」
「そうですね……」
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