第19話 話があるんですけど
「男だけど?」
私はその言葉を聞いて、1つの確信に至りました。
あれは数日前、2年生の下駄箱にいた日の後に職員室に行った時のことです。
私は職員室にいた担任の先生に1つ質問をしました。
「学年ごとの男子生徒の人数を教えて貰えませんか?」
学校の男子の人数は302人、私の数えた3年生と2年生の数はそれぞれ104人と97人でした。つまり、この結果でいえば1年生は101人ということになります。つまり、結果が数えたとおりなら1年生に私に告白してない男子生徒がいることになります。
「えーっと、確か1年生が101、2年生が97、3年生が104だったと思うぞ?」
(ということはやっぱり……)
「ありがとうございます」
──と、いうことがありまして眠り姫さんは間違いなく私に告白していない最後の男子生徒だという確信を今得ました。
「あの、話があるんですけど少しお時間いいですか?」
「…うん、時間あるしいいよ」
眠り姫さんは時計を見てから頷いて同意します。
それから私は、眠り姫さんに私に告白していない男子生徒が眠り姫さん1人になってしまっていること。そして、それで眠り姫さんが私の想い人と周りに勘違いされたり、最悪付き合っていることにされたりする可能性あることを伝えました。
しかし眠り姫さんは──
「えっと、それだけ?」
まるで何も問題ないと言うような顔です。好きでもない人と噂されるのが嫌ではないのでしょうか?
「まぁそうですけど……」
「まぁ僕はいつも寝てるだけだからなんとも思わないけど……じゃあなんかあったなら伝えて」
そういって、眠り姫さんは「はいこれ」と携帯画面にメッセージアプリのIDを写して見せてきました。
「分かりました…」
そして彼は私がアカウントを追加するのを見届けると、さっさと帰ってしまうのでした。
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