• マイページ
  • 小説を探す
  • ネクスト
  • 書籍化作品
KADOKAWA Group
  • ログイン
  • 新規登録(無料)
巫女のももちゃん、お祓いに行く

巫女のももちゃん、お祓いに行く

星のえる

おすすめレビュー

★で称える
★★★
★12
4人が評価しました
本文あり
日付が新しい順

本文ありのおすすめレビュー

  • 法王院 優希
    1100件の
    レビューを投稿
    ★★★ Excellent!!!

    月夜にささやく声、それは運命の目覚め

    それは、ただの独り言だった。
    夕暮れの川辺、恋に破れた少女・ももが、何の気なしに空へ投げた一言――「運命の人、教えてよ」。
    けれど、月は静かに答えてしまった。

    現れたのは、月光の化身とでも呼ぶべき美しい男。
    銀の刺繍が揺れる装束。人ではないとわかる瞳。
    そして、彼はすべてを知っていた。名前も、失恋の理由も。
    挙げ句、「お前は千年前の姫の生まれ変わりだ」とまで言う。

    現実と幻想の境界が、音もなくほどけていく。
    それは夢か、それとも遠い記憶か。
    やがてももは、彼に手を引かれ、月光に照らされた異界の参道を歩き出す。
    見たこともない神域の森。人知れぬ祠と池。眠る神、封じられた穢れ。
    すべては彼女の魂が辿るべき、過去からの呼び声だった。

    これは、傷ついた少女が出会った、『忘れていた約束』の物語。

    • 2025年5月1日 13:44