第160話 お城へ戻ってきました

丘の下で、エーリーズに抱き締められた。

「心配したんですよ!」

「逃げたんじゃないかって?」

「違います!」

まぁね、逃げてもね。それに、拐われた痕跡があったって。夜の巡回してたのが二人、昏倒してたって。

眉間にシワを寄せて、お城の隊長が訊いてくる。

「顔とか見なかったんですか?」

「寝てたとこ、ぐるぐる巻きでどうやって?」

発見された時の様子は聞いてるようだ。

朝方、道の端でバタつく、人の足の生えた巨大イモムシかと思われたらしい。頭まです巻きで、解いてもらった第一声が漏れるぅ!

「何人ぐらい…なんてことは分かりませんか?」

「一人じゃないことだけは確か」

全て不確かにしとかんとね。

「城へ入り込んで人拐いなんぞと、ふざけた真似しやがって!」

なんでゴーネストが荒れてるの。ざまぁ、帰ってこなけりゃ良かったのに、じゃないんだ?

「なんで捨てられたんだ!?」

「暴れたから?」

「女が一人、暴れたぐらいでか?」

「釣られた魚よろしく、びちびち暴れました」

隊長さんが、じっとこっち見てる。

あまり喋るのも不味いな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る