第110話 望郷→帰郷?

ウチへ帰りたい。安月給の歯車でいいから、何も考えず働きたい。帰宅後はとっ散らかった部屋で、スマホ握って遊びたい。

居心地が悪過ぎる。ここは私の場所じゃない。

「お疲れみたいですね」

気疲れ、ね。

「何か甘い物が飲みたいなー」

「ほうじ茶にはちみつでもどうですか?」

「あ、いいな、お願いします」

エーリーズが背を向けた瞬間。

世界がぐるんと変わった。

「お?」

汚部屋だ。だが、変だ。誰かが来た様子はない。

スマホ!

充電したままのスマホを開く。

「あれっ?」

5月、GW、最終日の朝9時って。明日から仕事…?

数ヶ月分の夢でも見てた?いやいや、着てるのはエーちゃんから渡された服だし。

それよりも。

「洗濯物ーっ!」

ダッシュでフタを開ける。

「あーっ!」

カビだらけ。Tシャツもカットソーも通勤に着回してたのが全滅。

「あああぁ…」

急いで買って来なくては。

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