第75話 出店の話

花祭りが来週から始まる。

食堂でコーヒーを飲みつつ雑談。

「マリアネも出店やるって?」

「ここの料理人が交代でね」

「やっぱり食べ物?」

「おにぎりとかさ。」

その場で具を選んでもらって、ご飯もゴマを混ぜたり、青のり混ぜたりしたのを握るんだって。

「でも、たまには変わった物を出したいね」

「ここで唐揚げ好評だって聞いたよ?」

唐揚げどうよ?に、ちょっと顔をしかめる。

「油だからさぁ、出店で皿を洗うのが大変そうでしょ」

「使い捨ての紙皿は?薄い木の皿でも。予算次第かな」

顔が輝く。

「そりゃいいわ。みんなに話してみるよ」

「後でゴミ片付けることにもなるけどね」

「皿でなくてもゴミは出るし、増えるのは仕方ないかな?」

ああ、余計なこと言ったかな。次は真似する人達が出てくる。

それにしても、三人寄れば文殊の知恵というのに、この世界じゃ何人寄ってもアイデアは出ないのか。

思考が「前例がございません」で固定されてるのかな。

そういうとこが本当に嫌だ。同族嫌悪的な意味で。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る