第65話 今の風景

バンゴーにいくつか試作した羽を見せてもらいながら、ガンバロウは頷いていた。

「こいつを動かすよう、繋げばいいってわけだ」

ガンバロウも理解は早い。

テルトやナントも見せてもらって、大きさなどの意見を出していた。

こっちは高卒だけど、みんなきっと大学や院まで行ける頭があるんだろうな。


水路をオモチャの舟が、流されて戻ってくる。

「僕にやらせて!」

舟を渡すと、嬉しそうにゴムを巻く。

「あっ!」

あら、失敗。途中で手を離しちゃダメだよ。

「おばちゃんは手伝わないんですね」

「だってエーちゃん、本人がやる気なのよ?」

やらせてあげようよ。みんなして手取り足取り、全部やっちゃってるじゃない。

…危っな!セブリップの腰のベルトを掴む。

はー、危ない危ない。ドボンと行くとこだった。

舟はチャプチャプと走り去っていく。

「おばちゃん、放してー」

「気を付けなさいよ?」

「はーい」

子供から目を離してはいけないって、本当だな…

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