第59話 水車のある村へ

なんとか昼には、水車の管理をする小さな村へ到着。

何度もゆっくり走れと言われ、途中の休憩回数は一回のみ。

川沿いを上流に向かって走るんだから、緩いとはいえ上り坂。

でもこの程度、平坦地と変わらない。住んでたとこは地名に丘が付きまくる地域だったし。

小さな村の小さな公園のベンチでお昼。

「おにぎり食べたら行くよー」

「えっ、もう?」

文句が多いよ、君。

自転車に人が集まって、質問攻めが始まってる。

暗くなる前に帰りたいなら、ちゃっちゃっと移動。


木々の向こうに見え隠れするあれ?あれなのかな?だとすれば、かなりの大きさ。水路も幅広い。水量も多い。

取水口のある上流へは、自転車に乗って行けない。斜面があって、山登りに近い。

なので村の人に試乗させる代わりに預かってもらう。

「だから、待てって!」

やかましいわ。待つか。エーリーズを見習え。

「置いてくんですか?」

「付いてくるでしょ」

勝手にさ。まったく、本当に兵なんだろうな。錬度が低い。




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