第57話 輪投げ見本

中庭でグータラしてるとこへ、箱を手にバンゴーがやってきた。

箱には数字の書かれた枠が九つと、それぞれの枠に穴が。

箱の底を開けると、三十センチほどの長さの細い竹と、竹細工の輪っかが出てくる。

細い竹の棒を穴に差し、輪投げの的が完成。

「どうです?」

「乗り気だねぇ」

「皆も乗り気なんで」

あははと笑う。

「遊んでみた?」

「はい、楽しいですね。酒でも入ってたら、もっと盛り上がる」

「さてはもう飲み会で遊んだな?」

「ははは、そこはまぁ」

輪のサイズ、的までの距離、景品、いろいろ決めるのも、わいわいとやったとか。

すでに店を出す場所も申し込んできたらしい。

「おばちゃん、それ何?」

後ろからひょっこり王子様が。バンゴーがにこにこと答える。

「輪投げです、セヴリップ様」

「遊んでみよっか?」

「うん!」

やっぱりこういうのは子供が遊んでるのがいい。

「ちょっと手前に傾けた方が良くない?後ろになんか置いて」

「そうですね。子供だと的が見にくいか」

まだ改良点があることに頷く。

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