第53話 第二回学校プレゼン

「…という計画で進めたいと思います」

こっち見なくてもいい。

「あの…聖女様、どうでしょう?」

「いいんじゃないかな」

ぱぁっと顔が輝く。まだスケジュールが決まっただけでしょうが。

先生集めと、教科書作り、スケジュール通りに進めばいいね。

「そ、それでですね!」

ん?

「計算を教えるときに、そろばんを使いたいんです」

ほう。

「ただ、どうやって使うのか、よく分かってなくて」

尻すぼみだねぇ。仕方ないか。

「いいよ、足し算引き算の基本ぐらいは」

掛け算はまず、九九を叩き込まんとな。割り算、分数までは学校で教える範囲にしたい。

小数や虚数は、教える方の先生が無理だろう。

今後、学校を卒業した中で、出来のいいのが先生になった時、教えられるかなといったぐらいか。

「で、そろばん、配るほどあるの?」

考えてませんでしたって顔をする。

「モノは統一してね。学校に置いといて、使うときだけ生徒に貸してもいいね」

「はい、間に合わせます」

まぁ、上出来じゃないかな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る