大綱が決まったと、ナントが教えに来た。

なかなかいい感じにまとまっている。

意見を乞われたので｢詳細詰めてね｣とだけ。

｢もっとこう、何か…｣

｢無いよ｣

勘違いしてもらっちゃ困るな。自分たちのことなんだから、自分たちで決めなさい。

試行錯誤も必要なこと。重大事故でもあったなら、さらに議論。

国だって同じ。

与えるのは簡単なんだよ。手を出して受けとるのも簡単。

ぽそっと｢聖女様は優しいんじゃないのか？｣なんて聞こえてきたが、スパルタも愛だよ。

解散後、ナントが追ってきた。

｢何？｣

｢いやその、俺にも助言とか、してくれないの？｣

｢やーねー、どんだけ甘えんぼさんなの？｣

うっ、と詰まった顔をする。聞いてこいとでも言われたんだろう。

｢自分のことが決められないのは大人じゃないよ？｣

今までの聖女様とは、学校教育だから知識量が違う。年の功も加えて、身近なことから世界情勢まで、玉石混淆、広く浅く雑学もある。

全部垂れ流すわけにはいかん。

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