第36話 発芽前

執務室へ書き直した事務文書を置いて、そのまま退出した日の夕方。

小父さんたちがチームが出来たと言ってきた。それも二つ。

王太子殿下が入っている、学校チーム。

自転車対策の法律整備チーム。

両方とも若い子ばかり。

「ちょいと、小父さん」

アドバイザーに専門職付けろと要求。若い子の方が柔軟で、色んな発想は出るだろうが、不備を無くすためにも必要だと。

「大枠が決まるまで口出ししないようにね」

そこで王太子殿下のご要望が。

「聖女様のご指導が欲しい」

自分で振った案件だし、嫌とは言えない。

「まず、自分たちでやってからね」

最初から加わると、ダメ出ししまくりそう。


本日の解散後、殿下が寄ってらっしゃった。

「何か?」

「昼に、父上から聖女様の書いた書類を見せられました」

うん、それで?

「何と書いてあるのかは、元の書類を見て理解しました」

「どう思ったの?」

「整理された見やすい物だと思いました」

そりゃそうだ。社会一般、広く使われる定型だもん。

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