第55話

「それで、お二人はどうしてここに?」

「普通に観光で来ていただけですよ。そしたらこのスライムとドラゴンが現れて、ドラゴンだけ倒したとところです」

 リゼが答える。やはりというかなんというか、やっぱりリゼが倒したと思われているな。俺は金魚の糞だ。……だけど、これでいいんだ。

「……いやはや。今すぐにでも国家魔術師になってほしいぐらいですよ全く」

「遠慮しておきます。あと3年は学生を謳歌したいので」

「残念です。……それと、そこの君」

「はい。俺ですか?」

「弟は元気?」

「すこぶる元気です。嫁さんと仲良くやっていますよ」

「そう、それなら良かった」

 あ、笑った。……なんだ、弟思いの優しい人なんだな。

「では、私達は魔法学院へ向かいます。帰り道、お気をつけて」

「お願いします」

 そういうと国家魔術師達は飛行魔法を発動させ、空へと消えていった。飛行魔法ならそんなに時間はかからず学院まで着くだろう。

「さて、私達も戻ろっか」

「そうだな。……あー、疲れた」

「同感。一度シャワー浴びたいな」

「浴びてもいいぞ、あっち向いておくから」

 火属性魔法と水属性魔法を組み合わせればシャワーなんて簡単に再現できる。実際、普通のシャワーの温水も魔法で水を通して魔法で温めているわけだしな。

「バカ。どすけべ大魔神」

 なんだそれ、気に入ったのか?

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