戻ってきた美子さんが、

「姉さん、あきらめましょう、今日の午後から教職員さんの面接が有るのでしょう？その方が大事よ」

「私たちも寄宿舎に泊まればいいことだし、明日といわず今夜には、この敷地から関係者はいなくなる訳だしね」

「えっ、夜間に仕事！」と茜さん。

「だから今から寝ましょうよ、二人で」と美子さん。

「♪そうね、そうしましょう♪」と茜さん。

　真白さんが、

「お静かにお願いしますよ！まだ上の階は業者がいるのですからね！」

「はいはい、静かにします♪」と美子さん。

　二人が二階の一室に、昼寝などに行ってしまいますと、静香さんが、

「ちょっとお可哀想ですね」

　真白さんは、

「そうですけど、これで何とか開学できる、タイムオーバーしそうでしたから……」

「とにかく真野さん、西田真理亜と益子和子が降りてきたら、相手をしていてくださいね、私は教職員さんたちの面接をしてきますから」

　教職員の希望者が集まってきています。

　宇賀さんが相手をしていました。

「遅かったわね、なにかあったの？」と宇賀さん。

　真白さんは、

「茜様と美子様が来られて……お仕事をお願いしていましたので……」

「あのお二人に？よくしてくれましたね」と宇賀さん。

「この後もお願いしました」と真白さん。

「後が怖いわね」と宇賀さん。

「この際、働いてもらわなければ、間に合いませんので」と真白さん。

　宇賀さんが、

「まぁ、それは後でね、いまは先生方を決めなくては、でもね、問題がありそうなのよ……ごらんなさい」

　集まっている面々を見て、驚いた真白さんです。

「若い方ばかりですが……」

「それより、服の下を見てみなさい、神通力がたりませんね」と宇賀さん。

　真白さんが天狐の力を発揮して見ると、

「……Ｐ２２０、桜にＷ……陸上自衛隊……それにニューナンブＭ６０、これは警察ではないですか……」

「内調もいるようですよ、Ｈ＆Ｋ　Ｐ２０００が見えます」と宇賀さん。

　真白さんが、

「いわゆる関係者以外の方、一人もいないようにみえますが……」

　宇賀さんが、

「公募に応募した者を辞退させたようです」

「辞退の連絡が多々ありましたから、でも困ったわね」

　真白さんがニャッと笑い、こう云いました。

「宇賀様、これなら話が早いのでは？私にお任せを」

　そして集まっていた面々に向かって、

「さて、教職員公募に応募された皆さま、面接は終わりました」

「いまより、こちらから出す条件をお飲み下さるなら、全員採用いたします」

　

　……

「ここにお集まりの皆さんは、全て陸上自衛隊、警察、内調などの、アジア大司教区政府関係の方々、そのような意味で一般の方々はおられないようです」

「だから私たちが、どのような存在かは承知の上でやってきているはず、皆さんは覚悟して来ているのでしょう？」

　この時、言葉の続きを侵入者に奪われました。

「稲田さん、私に任せてくれない」

　ゆらゆらと陽炎のように、美子さんが実体化しながらいいました。

「私が皆さんがいうアウロラです、さて話をしようではないですか」

「こうして私が目の前に出てきたのです」

「このような場所に、物騒な物を持ってきた以上、それなりの対応をさせていただきますよ」

　一瞬で服が消えてしまいました、勿論、物騒な物もです。

「全裸にしなかっただけでも、ありがたいと思ってね、でも皆さま、いいお身体ですね、条件はね、私の女奴隷になっていただきます、そうでしょう？稲田さん」

　真白さんが、

「その通りです、出向として扱いますが、女神さまがお望みになられれば、全てを差し出して頂きます」

「嫌ならお帰り下さい」

　五分ほどの間に、三割ほどの方がお帰りになりました。

　美子さんが、

「さて、残った皆さんはいいのですね、私の女奴隷になるのですね？」

「分かりました、では全裸になってもらいましょうか」

　ここで一割の方がお帰りになりました。

　残った方々も、泣きそうな顔をしています。

「つぎに四つん這いになって、お尻でも突き出して頂きましょうか？」

　この一言で二割の方がお帰りです。

「御苦労さまでした、皆さん採用です、蓬莱御巫(ほうらいみかんなぎ)に採用いたします」