第9話 結婚半年を過ぎて思うこと
今月で結婚(入籍)して半年が経った。
その日は別段特別なことをしたわけではなく(なぜならチョコを渡していたからだ)、当然のように通り過ぎていった。
でも後から考えると、もう半年が経ったのか…と時間の速さに驚くばかりである。
半年前は、引っ越した直後で生活自体が落ち着いておらず、更に籍を入れたことで、住民票から免許証からあらゆるものの氏名変更と住所変更を行うミッションが待っており、なぜ自分だけがこんな苦労をしなければならないのかと嫌気が差していた頃だ。
とはいえ、面倒な書類手続きを頭の片隅に追いやると、気持ちの上ではこれ以上ないほど踊っていた。
何せずっと願っていた夢が叶ったのだから。
実は旦那様とは高校の同級生で、なおかつ部活仲間だったため知り合ってからかなり長い。
ただ、妻は当時から旦那様に片思いしていたけれど、旦那様には完全に友達としか見られていなかった。
しかも、それから十四年も延々片思いを続けることになるとは思っていなかった。
その十四年の間にそれぞれの恋愛があり、仕事があり、人生があったし、お互いの関係性についても悲喜交々、様々なことがあった。
一時は全くの没交渉で連絡すら取らなかった時期もあり、未だにどんな運命の悪戯が起きて恋人関係になるというミラクルがやってきたのか謎だ。
その上、つき合うことになった時、旦那様は東京に住んでいたため正真正銘の遠距離恋愛だった。
つき合い始めてからもこれまた紆余曲折あり、将来の展望が全く見えないまま二年が経とうとするタイミングで一気に流れがやってきて、そこから最終的に結婚が成就するまで一年ほどかかった。
その間に旦那様が関西に帰ってきたり、妻が初めて実家から出たり、全く未知の「結婚式」というものについて諸々決めていったりと、怒涛のように人生が進んでいった。
そして三周年記念日に、ようやくといった面持ちで婚姻届を役所に提出してきたのだ。
ここまでの道のりを思うと、本当に長いし重いしドラマティックで、そのあたりに転がっている小説よりよほど小説めいた話である。
でもまあ全部事実だし、さすがに今の時点でも「夢みたい」とか「信じられない」と言うと旦那様が怒るので、自分は誰よりも幸せな人間なのだと自覚することにしている。
願わくば旦那様もそうであってほしいと思うし、旦那様を幸せにするのが妻の役目だと自負しているので、改めて旦那様に感謝の念と特大の愛情を伝え続けようと思う。
つまるところ、自分にとって恋愛結婚は他の何にも代えがたいほど幸福なことで、その幸福はこの先も日々更新されていくのだと、甘々な締めで結婚生活半年を迎えた感慨を述べてみました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます