第41話〜スライムが仲間になりたそうにこちらを見…目はどこ?
…………。
( °△°)じー (__)プルン?
( °▽°)ニヤリ Σ(__)プル⁉︎
ε=ε=ε=ε=ε=ε=( °▽°)ぴょ〜!(((__)⊃
…………。
「ぴょ〜…(き、も、ち、い、い、よぉ〜…)」
わたしは泉のほとりにいるスライムの上にいた。
ふんわりとは違った、ひんやりぷるるんって感触がクセになりそう!
人をダメにするクッションに座ったことはあるけど、スライムはそれ以上だよ…。
程よい弾力、ぷるぷる具合、全身を受け止めつつも崩れない柔らかさ。
小鳥の姿だからこその絶妙なバランスかも。
あんまり重いとスライムが潰つぶれちゃいそうだし…。
「マール、いいなぁ。ルナも、スライムの上にのってみたい」
『呆れた奴だ。野生のスライムを相手に。一般的にスライムは突然降ってきて顔に張り付き相手を窒息させたり、強力な酸で溶かしたりと、割と危険なモンスターだと言われているのだぞ?』
『(…………)』
ルナちゃんの羨やましそうな様子を見てると申し訳ないけど、ここら辺にいるスライムは大きくてもバスケットボールくらいの大きさだからね〜。
うーん、枕くらいにはなるかな?
そして白夜ちゃん、それ初耳。
Σ(°△°)
けど泉の近くにいるスライムたちからは敵意みたいのは感じないし大丈夫だよね?
わたしの下にいるスライムも特に嫌だって感情は伝わってこないし。
…………。
「ぴょ〜?(大丈夫?重くないかな?)」
『(…………)』
大丈夫みたい!
さすがにスライム相手だと言葉は分からないけど、なんとなく感情は伝わってくる。
よっと!
あんまり乗っててもかわいそうだし、もう降りよう。
ありがとね!
『(…………)』
スライムは一度プルンてふるえて、泉の中の他のスライムたちの所へと帰っていった。
…………。
「スライムさん、ひんやり、とろとろ、きもちいい」
ルナちゃんもスライムを両手ですくっては変形させて楽しんでるみたい。
この泉のスライムってべたべたしないし、弾力があって途中で千切れたりしないし、触り心地が最高だね!
『む、あれは…』
ぴょ?
白夜ちゃんがまた何かを見つけたみたい。
泉の中心の辺りかな?
湧水で揺らめく水面に、何かがいた。
テニスボールくらいの水玉がふわふわと浮かんでる
綺麗にまんまるで、まるで水晶が宙に浮いてるみたい!
『珍しいな。ティアスライムだ』
ティアスライム……ティアって確か涙だっけ?
『別名天の滴とも呼ばれる浄化を司るスライムだ。人里から近いと言ってもいいこんな場所で遭遇することができるとはな』
見た目はほぼ透明。
光の加減で白銀に光って宝石みたい!
『希少性でいうとAランク以上だな。もっともそれは見つけること自体はできても、捕獲するとすぐに澱んで死んでしまうからだが。穢れなき者の前にしか姿を現さないと言われている』
へぇ〜。
そんなに珍しいスライムなんだ。
そのティアスライムだけど、なんかこっちの方に近付いて来てるんだけど?
『(…………)』
「ぴょ?」
『(…………)』
な、なんだろう?
ティアスライムからまっすぐな感情が伝わってくるんだけど…。
『(…………)』
この感じ、小さな子供がワクワクした目でこっちを見てくる時と同じような、言葉では言い表しにくい感じ…。
「あなたもいっしょにきたいの?」
「ぴょ〜?(え、ルナちゃんはこの子が言いたいことが分かるの?)」
「んー、なんとなく、分かるよ。この子、いっしょにお外についていきたい、みたい」
『スライムの意思が分かるのか。流石は仮初とはいえ我が輩の主人だ。テイマーとしての資質は相当なものらしい。モンスターの方から仲間になりたがるのも珍しいが、それがまさかティアスライムとはな』
ティアスライムはこちらの言葉が分かるのか、どことなくわくわくした様子でふわふわと浮いている。
どうでもいいけど、どうやって浮いてるのかな?
『仲間にテイムするなら名を授けてやるといい。そうすることで此奴と繋がりができ、泉から離れてもそうそう澱こともないだろう』
「おなまえ、なんにしよう…」
…………。
ティアスライムが仲間に加わったよ!
あのあと、わたし、ルナちゃん、白夜ちゃんの3人で名付けのための壮絶なバトル(それぞれの種族と姿形が違うので変則的なジャンケン合戦)が行われた。
名前は3人の意見を出し合ってシルヴィアに決定!
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