第13話〜チョベリグな友情

「マジ、相変わらず暑苦しいんですけどぉ」


コッコたちをかき分けるようにして現れたのは、一羽のコッコだった。


(°△°)コケー


と言っても、その姿は真っ白なコッコたちの姿とは全く違う。


一言で言うと、すごく派手派手な見た目をしてる。


色合いが複雑だからなんて言ったらいいか迷うなぁ。


細かい品種はわからないけど、たぶん軍鶏だね。


詳しい描写が知りたい人はWebで検索けんさーく!


…………。


ぴょ〜。


それにしても、あのコッコさんは綺麗だなぁ。


さすがキジ科なだけあるね!


え?


ニワトリはキジの仲間なのかって?


実はそうなんだよ!


よくイメージとかデフォルメされた、白い身体に赤いトサカのニワトリしか知らない人は意外に思うかもしれないけど、ニワトリって実は色鮮やかな種の方が多いんだよね。


中には観賞用に育てられてるニワトリだっているんだから!


ニワトリのヒナ、つまりヒヨコなんかも黄色いイメージがあると思うけど、他にも茶色かったり、黒っぽかったり、模様があったりと色んな種類がいたりするんだよ?


ちなみに黄色いイメージが強いのは、商用のニワトリに白い羽毛が多いからで、そのヒナが黄色いからだね!


ってなんだかわたし、ニワトリ博士みたいな解説係的な感じになってない?


(°△°)ぴょ〜…。


…………。


ニワトリ当番でお世話してた小学校の時に色々と調べて、夏休みの宿題でニワトリの生態を調べて提出(3年連続)したわたしは実はニワトリについて詳しかったりするのだ。


ぴょ〜。


一言にニワトリと言ってもいろんな種類がいるの。


猫や犬だって、いろんな種類がいるけど、単体で見れば「あ、猫(犬)だ」って思っても、並べてみると「え、これ本当に同じ種なの?」って子も多いよね?


ニワトリもそうなんだよね!


今はスマホとかで検索できるから、簡単に画像が見れると思うけど、ニワトリって本当に色んな種類、見た目、歴史があるんだよ。


まぁニワトリとコッコたちは見た目は同じだけど、種類も同じかは断言できないけどね。


地球のニワトリはあんなに強くないし!


けどまぁキジ科なだけあって、地上で生活するのに適した丈夫な脚をしてるから、異世界のニワトリが蹴りで巨大生物を倒しててもおかしくない、のかなぁ?


って、あれ?


なんか頭の中で解説ごっこしてる間になんかしゃもっぽい子にすぐそばで見下ろされてるんですけど?


(°△°)なんぞ?


…………。


「ぴょ〜…?」


「なんでここにマルモ鳥がいるわけ〜?コッコに混じってマルモ鳥の、それもヒナが、一緒に修行とか、マジウケるんですけど〜」


うわわわ……。


派手な見た目で驚いてたけど、なんか声が可愛らしくてまた驚いちゃったよ!


甲高い声だと思ってたけど、女の子だったのね…。


しゃもは闘鶏の一種でもあるから綺麗な見た目であると同時にすごく強そうなんだけど、声と口調のせいでギャルにしか見えなくなっちゃった!


「ぴょ……」


「まぁいいや。あんたちょっとこっち来なさい。ここ、ちょーうるさいし」


「ヒメ!なんですかその物言いは!もう少し品位というものを」


「あーもー、ほんとこの里のコッコはみんなお固くてやんなるし。ちょっと、マルモ鳥のヒナ。あんたついてきなさい。他はついてこないでよね!」


「ぴ、ぴょ〜?」


え、え?


なんかくちばしで咥えられちゃったんですけど!


犬猫みたいにぷらぷら運ばれてるんですけど⁉︎


鳥ってそんな風にヒナを運んだりしませんよね?


∈( ̄△ ̄;)∋=3=3=3


…………。


そのまま運ばれること数分。


なんか木のウロみたいなとこに連れてこられた。


それでしゃもさんにジーっと見られてる。


うん、穴が開くほど見られてる。


ものすごく見られてる!


「……わいぃ」


「ぴょ?」


(°△°)ほぇ?


「ちょー可愛いんですけどぉ!」


「ぴ、ぴょ〜⁉︎」


いきなりなんか覆い被さられた、というか器用に翼で抱きしめられた!


「やっぱヒナって可愛いよね〜♡うちの里オスばっかだし、ヒナいないし、生まれてもすぐ修行修行で脳筋になるし!は〜、それにコッコのヒナと違って小ちゃくて可愛いんだからもぉ!」


「ぴょ?ぴょ⁉︎ぴょ〜⁉︎」


その後、ものすごく可愛がられた。


な、なんでぇ〜?


…………。


後で知ったんだけど、なんでもこの子、あの里長のおじいちゃんの孫で、可愛いものには目がないみたい。


コッコたちって基本的に修行!修行!修行!で一族郎党そんな感じらしいの。


だけど他のコッコの部族から嫁いで来たしゃもさんのお母さんに色々と教えてもらううちに、このしゃもさんも可愛いもの好きに目覚めたと。


周りは固い人、コッコしかいないし、そんな中可愛いものを愛でるのは恥ずかしい。


だからわたしはここに連れてこられたと。


まぁ紆余曲折あったけど、人生初のお友達、できました!


ぴょ〜♪

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