ミトリ・ハゲルさんは、崩壊寸前のイスラエル南部軍が、市民を守りながら立てこもっているエイラートに派遣されました。

　そこでは最後の防衛戦闘が、『カラカル大隊』の生き残りで行われています。

　脱出の為に時間を稼ぐ『カラカル大隊』、やっときた輸送船にはお気楽にミコ様が乗っていました。

　そして無事に脱出したものの受け入れ先が見つからない、そこでミトリさんはイシスさんを巻き込んである提案をすることに……

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「ねぇ、ミトリ姉さん、ミコ様と初めて会った時のことを聞かせてよ」

　突然に妹のナオミさんが、声をかけてきました。

　移転したばかりのマルスのアメリカ地区にあるニューイーグルで、ミトリさんは久しぶりにのんびり妹と、ベーグルとコーヒーでブランチをしている時でした。

　この店はかなり有名なニューヨークのベーグル専門店ですが、いち早く移転してきているのです。

「初めて会った時？」とミトリさん。

「そう、初めてエッチした時の話でもいいわ」とナオミさん。

　ミトリさんが、

「初めてね……そういえば、ミコ様に初めてお言葉をかけていただいたのは、私のポニーになる？だったわね」

　コーヒーを噴き出しかけたナオミさんが、

「すごいわね、で、どう返事したの？」

　ミトリさんは、

「間髪おかずに、お望みなら、と言ったわよ、内心はドキドキしたのよ」

「奴隷になる、どのような辱めも喜んで受ける、返事をした瞬間に身体がゾクとしたわ、その日の晩は大変だったのよ」

「ミトリ姉さんも、女ってことなのね」とナオミさん。

　ミトリさんが、

「ミコ様に出会って、ときめかない女なんて想像できないわ」

「ナオミは最初は断っていたわね、神様がそんなことお許しにならないって云って」

　ナオミさんは、

「ミコ様がエッチの相手と理解したとき、ときめいたわ、でもまだ十八歳だったし、望んでいても、そんな返事はできないじゃない」

「身体のほうはミトリ姉さん同じ、神さまがお赦しにならない、と言いながら、内心は神さまにお赦しねがったわ、ミトリ姉さんが説得してくれた時はホッとしたわ」

　ミトリさんが、

「あれから二年ちかく、いまではこうしてチョーカーをいただいて、おかけで若さを保っているわ」

　ナオミさんは、

「ミトリ姉さん、綺麗よ、私だって二十歳になったのよ」　

　二人のブランチも終わり、ナオミさんが、

「ミトリ姉さん、今度、テラのイスラエルに行くのでしょう、大丈夫？」

「エルサレムでは、サービア教徒がジュノサイドをしていると聞いたけど」

　ミトリさんは、

「男は子供といえど皆殺し、女を売りに出しているらしいわ、ミコ様が鈴木商会に命じて、その女たちを購入させるらしいの」

「まだアカバ湾に面したエイラートは陥落せずにいるので、ナーキッドが撤退の手助けをすることになり、そのために行くのよ」

「とても危険じゃないの！」とナオミさん。

　ミトリさんは、

「大丈夫、チョーカーの魔力で、何者も私に手出しはできないでしょう」

　ナオミさんは、

「でも、ナーキッドの部隊はほとんどカムチャッカ方面でしょう、やっと片付いたばかり、どこにも戦力など、ないじゃないの」

　ミトリさんが、

「エイラートが陥落していないのは、イスラエル南部軍が立てこもっているの、背水の陣ですからね、奮戦しているようなのよ」

「でも……」とナオミさん。

　ミトリさんが、

「輸送船は確保してあるの、例の巨大宇宙船、あれが一隻やってくるわ」

「なんでも外殻は硬くて、まず貫通しないと聞いているから大丈夫よ」

「それに早くしないと、フランスの核がどこかに落ちそうらしいの、急ぐのよ」　

「それよりナオミは、今夜ミコ様のお側に侍るのでしょう、私は大丈夫だから、お風呂で念入りに体を磨きなさい」

　翌日には、ミトリさんはアイスランドのレイキャネースへ、移住でごった返しているレイキャネースから、出来たばかりの試作機、『ＵＳ―３不死鳥』に乗って、エイラートへ向かったのです。