作戦名:桶狭間

 400:名無しさん


 夜だな。


 405:名無しさん


 まさかの奇襲作戦かよ・・・・・・


 410:オオカミさん


 だが妥当な手だ。


 最初の一手でどれだけ数を減らせるか。

 それがこの作戦の重大な要素だ。


 412:退役自衛官


 詰めた作戦内容はアイさんに送信しておいた。


 自分の知識が役立つ時が来るとは想像だにしなかった。

 

 425:自衛官ニキ


 自分もです。

 後は幸運を祈るばかりです。


 427:MOD制作者


 この作戦が現状うるベストだろうな。

 人手も戦力も足りてないんだ。

 あと、士気もな。


 運の要素も絡むがただ漠然と防衛戦やるよりかは勝算は高いだろう。


 430:現地取材班


 てか作戦名が桶狭間って・・・・・・


 442:福島の人


 アイちゃんの学習スピードが早すぎるんだけど・・・・・・

  

 Side 三枝 ユキノ

 

 自分はまたしてもトラックの荷台に載っている。

 周囲には浮遊ドローン。

 そして四脚の戦闘ロボット、セントリーポッドが待機してる。

  

 偵察は浮遊ドローンが行っている。 

 日は落ち、荒れ果てた大地にある小高い丘で待機し、敵を待ち構えていた。

 眼下にはひび割れだらけのウエストタウンへと続く道路がある。


『てかレベッカさん? 今回は来てくれたんですか?』


 トラックの外ではベルセルクに載ったレベッカさんがいた。

 手にはキャノン砲を持っている。


『ウエストタウンが無くなると報酬交渉どころじゃないからな』


『まあ確かに』


『それにな』


『え?』


『私は甘っちょろいの奴は嫌いだが、もし今回の件が上手く言ったら少しは認めてやっていい』


 そう言って配置についた。

 なんだろうこれ? ツンデレ的なアレかな? いや、まさかね――



 Side 野盗のリーダー ザギャ


 一度ならず二度までも。


 舐めやがって。


 あのウエストタウンの連中全員殺してやる。


 男は精一杯苦しませて死なせてくれって懇願するまで追い詰めて。


 女は慰み者にしてやる。


 そうだ、それがいい。


 "彼奴ら"の手助けもあったがこれだけの戦力だ。


 軍用のパワーローダーに戦車まである。


 負けるわきゃねえ。


「お、お頭!?」

 

「なんだ!? スモーク!?」


 前方が煙幕で覆われ、停止してしまう。

 こんなタイミングで突然煙幕が起きるわきゃねえ。

 こいつは――


「野郎ども!? 敵襲だ!!」


 そう叫んだと同時に俺達に銃弾や光線の雨が俺達を襲った。



 Side レベッカ


『もう遅いってね』

 

 私の狙いは最初から戦車だった。

 てかこれ私が参加しなかったらどうするつもりだったのやら。

 

 まあ相手はマヌケにも戦車を単独行動させていて――戦車は思った以上に速度は出るが、車両よりも遅いからな。

 後で追いつけばいい的な発想だったんだろう。


 戦車の攻撃力は確かに脅威だ。

 火力も射程も凄い。

 だが運用を間違えるとこうも脆いのかと思った。


 なんでも戦車は基本、単独行動で運用させないとかどうとか言ってたが所詮は1+1の計算も出来るかどうかも怪しい連中だ。


 戦術、戦略の概念もないだろう。


 ・・・・・・そこまで見抜く日本の掲示板とやらの連中も侮れないな。


 ともかく私は砲身上面部分のハッチを力任せに引き剥がし、中にキャノン砲の砲身を入れてファイア。

 それだけで片付いた。

 

 戦車の遥か前方では激しくドンパチしている。

 急いで駆けつけないとパーティーに乗り遅れてしまう。



 Side 野盗のリーダー ザギャ


「車両部隊が優先的に狩られて――!!」


「パワーローダーが車両の誘爆に!!」


「クソが!! たかがあの人数相手になにやってんだ!?」


 敵はパワーローダー一体。

 四脚の戦闘ロボット。

 浮遊ロボット二体。

 更に後方にトラック。

 

 戦車の方にはウエストタウンで襲ってきたあのパワーローダが向かったんだろう。


 あの時もいいところで邪魔しやがって!!


 今もいいように好き放題されている。


 なんでだ!? 


 なんでこんなことになるんだ!?


 なんでこんなことでつまざきゃなんねーんだよ!?


「殺してやる!! アイツだけは絶対に殺してやる!!」



 Side 三枝 ユキノ


『戦闘行動から所定時間経過! 退避行動を!』


『了解!!』


 俺はシャーマンに持ったヘビーマシンガンで敵を倒しながらその場から離れる。

 作戦は面白いように嵌まった。

 敵のパワーローダー部隊は車両の核爆発と一緒に連鎖爆発して吹き飛んだ。


 自分はアイが操縦するトラックの荷台に乗る。

 運良くレベッカとも合流できた。

 セントリーポッドや浮遊ドローンも集合。


『敵との相対速度を合わせて後退です!!』


 そうアイがトラックから指示を出す。


『こんな手が上手く行くか?』


 と、レベッカが何度目かになる疑問を口にするが。


『大丈夫です。その時はその時です』


『まじかよ・・・・・・』


 アイの意見にレベッカは呆れたような様子を見せた。



 Side ジェイク


『ジェイクさん!?』


 五人にも満たない仲間に言われてハッと我に返った。


『まさかここまで上手く行くとは――』


 自分達は少し離れた位置から廃墟の物陰に隠れている。

 ひび割れた道路の上をレベッカやシェルターの住民が疾走する。

 

 敵の数もかなり減っており、隊列もかなり乱れている。


 罠に引っかからなければ違う計画に移るつもりだったがこうまで上手く行くとその必要もなさそうだ。


『起爆させろ!!』


『了解!!』


 敵の隊列を前後に切り分けるように爆発を起こす。

 そして俺達は分断された後ろの方を襲った。

 敵は何が起きたのかも分かっていないのか面白いようにパワーローダー用の重火器を受けて倒れていく。

 

 奇襲は成功のようだ。



 Side 三枝 ユキノ 


『反転!! これより前方の敵の殲滅戦に移行します!!』


 アイが勇ましく指示を出す。

 俺はトラックの荷台から降車した。


『うわ~本当に上手く言ったよ――で、そろそろ敵のリーダーを倒してもいい?』

 

 レベッカが尋ねる。

 敵のリーダーを倒さなかったのは群れがバラけて作戦遂行や撃破が困難になるからだ。


『構いません。ここからは時間との勝負です。これより私達は敵基地に対して逆侵攻を仕掛けます!!』


『あいよ!!』


 レベッカのベルセルクが突っ込んでいった。

 自分は(正直もう自分の出番ないんじゃないかな?)などと思いつつもセントリーロボット達と一緒に前進した。

 


 Side 野盗のリーダー ザギャ


 ありえねえ。


 ありえねえだろ。


 俺の軍団が。


 こんな言いようにやられて。


 あれだけの数がいたんだぞ?


 ウエストタウンにそれだけの戦力は、それだけの"数"は無かったはずだ。


 なのにゴミカスのように俺の軍団が消えていく。


 なぜだ。


「なぜだあああああああああああああああああ!?」

 


 Side 三枝 ユキノ


 敵の大将格と思わしき男が叫びとともに車両の爆発の中に消えた。


 後は殲滅戦。


 残しておけばまたこいつらの手でいらぬ被害が出る。


 つまり心を鬼にして殺して行けと言うことだ。


(分かってはいるけど後味が悪い――けど自業自得なんだよな)


 こいつらは町の住民を殺そうとした。

 だからこの場で殺されても文句は言われない連中だ。


 だからと言ってそうそう割り切れるもんじゃない。

 

 この後、粗方の敵を片付けた後、軍事基地跡地に逆侵攻を掛けて陥落させる事に成功。


 戦いは想定以上の大勝利に終わった。


 

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