作戦会議

 Side 三枝 ユキノ


 トラックの荷台からパワーローダー用のマシンガンを発砲する。


 敵はバイクや車両部隊だ。


 光学迷彩のドローンで空の様子を偵察していたが――運悪く哨戒していた連中に見つかり、応戦中だ。


 アイからは「とにかく足止めする事だけを考えて行動してください」と言われた。  


 と言っても自分にそんな器用な真似が出来る筈もなく、


 そしてパワーローダーが使用する重火器と言うのは威力が高く、


 ああ、これ絶対殺したわってぐらいに爆発が起きて敵が空中を舞っていた。


 パワーローダー越しのせいか現実感のような物がなかった。

 

 人を殺すのってこんな感じなのだろうか?


 一瞬呆けてしまった。


 だがパワーローダーに銃弾が辺り、現実に引き戻される。


 そう、現実。


 今自分はこう言う現実を生きているのだ。

 

 Side レベッカ


 多少銃弾を撃ち込まれながらも無事に帰還できたようだ。


 帰還途中に襲撃されて銃弾を撃ち込まれたらしい。


 ジェイク達は笑いながら出迎えたが相手の数とか装備とか知られていくウチに町の住民にも絶望感が漂い始める。


 敵の50。


 しかもパワーローダーも私のベルセルクよりも劣るが軍用モデル。


 戦車まである。


 そして此方の戦える戦力はどんなに頑張っても10。


 士気は最低である。


 誰だって命は惜しい。


 私だってそうだ。


 正直最初の防衛戦でまだ金ももらってないしこのまま連戦するのはわりに合わない。


 だがあの馬鹿――三枝 ユキノはやる気でアンドロイドの嬢ちゃんも付き合うようだ。


 アンドロイドのお嬢ちゃんはともかく、ユキノがどうしてやるのか? と聞くと「放っておけないから」だとかどうとか。


 私は(やっぱり馬鹿だ)と思った。 

 

 そう言うお人好しは早死にする。


 この世界は。


 シェルターの外はそう言う地獄なのだ。


 酷い言い方だが、このウエストタウンが滅んだところで世界は何も変わらない。


 守りきったところで報酬が貰えるかどうかも怪しい。


 そう思っているのに。


 なんなんだろうこの気持ちは。


 手を差し伸べられるのは差し伸べたい。

 

 救えるなら救いたい。


 そんな気持ちは捨てたと思った。


 だけど頭の中でザワつくのだ。


 もしもシェルターが襲われたとき、あの馬鹿みたいなのがいたらって――


 

 Side ジェイク


 状況はかなり厳しい。


 この時代、アテもなく町を捨てると言うのもほぼ自殺と一緒だ。

 

 町の代表者として、このクソッタレな時代をどうにかしたいと思って今日まで生きてきた。 


 だが現実は厳しい。

 

 どうしても理想と現実の摺り合わせって奴が必要だった。


 そんな人生もこれまでかもしれないとも思っている。


 胸中で絶望が渦巻く中、アイや三枝 ユキノはあれこれ聞いてくる。


 どうやらこの少年とアンドロイドの女の子は戦うつもりのようだ。


 セントリーポッドや二体の浮遊ドローン


 そしてパワーローダーベルセルク。


 町の守りのための戦力の要にはなるが全ての敵を防ぎきるのは難しいだろう。


 例え戦いに勝っても町が滅んだら意味がないのだ。


 それを分かった上でアンドロイドの少女、アイはこう進言してくれた。


「こうなればこっちから打って出ましょう」

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