第50話 弱点
レレさんは地を蹴る。
手を肉食獣に変え、化け物の体を削っていった。
まず手足。肉塊の上部、下部。そして、化け物の左右。
致命傷を与えるのが、目的ではない。
化け物の弱点を探っているようだった。
肉塊を斜めに割こうとしたとき、横から腕がレレさんに迫った。このままだと、レレさんの横腹に、もろに入る。
レレさんは瞬時に足をカンガルーに変え、体をひねる。迫ってくる腕を足場として、天井まで跳ぶと、体の向きを変えて、その高い跳躍力で天井を蹴り、化け物の体に突っ込んだ。手が化け物の目を深く抉る。
「ぎゃああああああああ!」
化け物は絶叫した。目が大きく見開かれ、口に変わる。
手を噛みきられる前に、レレさんは素早く化け物を蹴って、再び天井まで跳んだ。近くにある窓ガラスを割る。
ガラスの破片を手に持ったまま、化け物に向かって天井を蹴った。
化け物は間髪入れずに口を大きく開ける。
そこへレレさんはガラスの破片を投げ込んだ。
化け物は叫び、暴れると、口の中に入ったガラスを外に出そうとさらに大きく口を開けた。
口の中から、顔のようなものがゆっくり出てきた。
瞬間、レレさんは目を見開く。
「君は……!」
レレさんは意識を奪われた。
そのせいだろうか。横から迫る腕に気づかずに、レレさんは吹っ飛ばされた。
壁にぶつかる前に床に手を叩きつけて衝撃を殺し、一回転して床に着地した。
レレさんは化け物に睨み付けながら笑みを浮かべる。その頬を冷や汗が伝った。
「こんなところにいたとは……。
探しても見つからないわけだ。
にしても、随分と姿が違うじゃないか」
化け物の手が複数迫った。
レレさんは全てを手で払う。
「同じ病気にかかってるよしみじゃないか。
少しくらい手加減してくれてもいいのではないかな?」
化け物の口から出てきたのは、かつてレレさんが一度会ったことのある、不治の病にかかっている人らしかった。
何本もの手が、レレさんを追撃する。
レレさんはナナがいる場所まで後退した。
「お嬢さん方、何かいい案は思いついたかい?
長いこと話し合っていたね」
ララが反応した。
「作戦はたてられた。でも化け物の弱点が分からないと……」
「目だ」
レレさんは即答した。
「目から変わった口の中に、顔が見えた。おそらく本体だろう。目を狙えば、顔はまた表に出るはずだ」
「分かった。あなたのお陰で被害が増えなかった。この人数ならいける!」
ララは拳を強く握りしめた。
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