第23話 服屋

お店に入ると、左が男性用、右が女性用にわかれていた。

私達が男性用の方へ行くと、店員さんが出てきた。

「この人に似合う服が欲しいの。あ、あまり高くないやつを」

「はい、じゃあこっちに来てねー」

レレさんの服を見て多少驚いたものの、店員さんは短くお辞儀をすると、レレさんを奥へ連れていった。


「お待たせー」

十分後、店員さんはレレさんを連れて戻ってきた。レレさんはカジュアルなシャツとズボンに、灰色のローブを羽織っていた。

よく似合っている。

「こちらの方が何か羽織れるものが欲しいと言われたので。もともと着ていた服(?)を参考に選ばせてもらったよー。髪に白が混じって灰色がかっていたから、灰色のものを用意させてもらったよー」

髪が灰色なのは白髪が混じっているからなんだけど……。その言葉をそっと飲み込んで、私達は店を後にした。


歩いているときに、レレさんが「髪の色、変えた方がいいかなぁ」と何気なく聞いてきたので、「その方がいいと思います」と答えた。白髪のことを言われたのがショックだったらしい。

レレさんは髪の色を黒に変えた。


私達は少し寄り道をしながら、家へ向かった。

その途中、私達は1枚の貼り紙に目がとまった。

その貼り紙には『1年に1度!王様と話せるチャンス!』と書いてある。

「これ、本当でしょうか?」

「分からないが、もし本当に王様と話せるのだったから、カラ国について、もっと知ることができる」


私達は貼り紙を何度もみたが、日付以外、詳しい情報はなかった。

とりあえず、私が他の人に聞いてみるということにして、今日は別れることにした。

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