優しい王子の視点で、淡々と描かれる文体。それは、どこか自信がない様子。
それは、この国では男子に王位継承権はなく、常に疎まれていた存在だから。
現代におけるジェンダーの問題を表現しているのだろうか。
また、パワーバランスを保ち、しかし争いの原因にもなってしまう協力な『原石』の存在は核のようにも思える。
王子はそんな差別的かつ、やや不穏な世界でも、優しい家族、そして精神的支えにもなってくれる護衛に恵まれていた。
しかし、世界は王子に残酷な牙を向ける。
それでも王子視点で描かれる文体の優しさは少しも欠けることはない。不安や葛藤を抱えながらも叙情的で美しい……。
独特の世界観に一気に引き込まれます! いろいろ考えさせられる名作!!!