ヒーローものと聞いて想像する「派手さ」とは、少し違う手触りの物語でした。
主人公は特別な力を持っているわけでも、最初から強いわけでもありません。むしろ、どこにでもいそうで、少し立ち止まってしまった人です。
そんな彼の前に現れる存在や出来事は、とても非日常的なのに、描かれる感情は驚くほど身近で、読んでいると「わかる気がする」と思わされます。
ヒーローに憧れる気持ち、変わりたいと願う焦り、誰かに認められたいという静かな本音。
物語はテンポよく進みながらも、主人公の内側の揺れを丁寧に拾っていて、派手な展開の中にも不思議と落ち着きがあります。
読後に残るのは爽快感と、「この先をもう少し見てみたい」という気持ちでした。
ヒーローの物語でありながら、これはきっと、「人生を再起動しようとする一人の人間の話」なのだと思います。
静かに背中を押してくれるような一作でした。
高い評価を得ている『木徳直人はミズチを殺す』の作者さんが送る、高い筆致で書かれたバトルアクションストーリーでした。
『ヒーローもの』と言われてイメージするような、爆音を響かせながら変身して銃と剣が一体になった武器(玩具化したら売れそう)で戦って街を脅かす怪人達をなぎ倒していく……といったものではなく、そういう作品よりかは大人向けです。複雑に絡み合う思惑や設定などが、見事に最後まで『面白さ』を発揮する要素として描かれています。
主人公ナオヤとヒロイントワカの心情、バトルシーンなどが詳細かつテンポよく描写されており、特に後半からは夢中になって読み進めてしまうほどのパワーを持つ作品でした。
面白かったです!