第52話 甘すぎる僕のお姉ちゃんと副生徒会長
もうお分かりかと思うが、僕の穴埋めのために協力してもらった最後の一人が、副生徒会長である姉さんの親友、
やっぱり、
それはともかく、僕も
『弟くん、
「ええ。今はまたゆっくり横になっていると思います」
『そう。流石のあの子も、弟くんに迷惑をかけたと思っているみたいだし、しばらくは大人しくしてるわよね』
「あの、
僕の姿など、
『これくらいならお安い御用よ。それに、ただ公演を観に行くよりも、よっぽど楽しめそうだしね』
それは、実に
『あと、これを頑張ったら弟くんを一日だけ貸してもらえるって、
「えっ? 貸す?」
『そう。一日だけ、弟くんを好きに使っていいって交換条件なの? 知らなかった?』
姉さんがそんな約束を? 一体、いつ?
「あの、
『してないよ? いま私が勝手に作っただけ』
「
こんなときに冗談はやめて!?
嘘か本当か全然分からないんですよ、
『でも、私は結構本気で言ったわよ? それとも、弟くんは、私に興味なんてないのかしら?』
「い、いや、あの……」
『ふふっ、本当に、通話越しでも動揺してるのがバレバレだわ。もっとしっかりしなきゃ、お姉ちゃんを守れないでしょ?』
それこそ、冗談っぽく
でも、その言葉は僕にとって、とても大切なもののように思えた。
「……そうですね。肝に銘じておきます」
『やっぱり、きみは
『弟くん、こっちの代役は私でもできるけど、あの子の弟はきみにしかできない。そのことを、よく覚えておいてね』
最後に、
そのことも、僕は十分に理解していた。
だからこそ、僕は
「それじゃあ、
『ええ、任せて。台本も全部覚えたから』
「ぜ、全部、ですか?」
まさか、こんな短時間で?
『やるからには、私も完璧にこなしたいじゃない?』
正直、僕の役はほとんど台詞がないため、
さすが、副生徒会長の肩書は伊達ではない。
『むしろ、ナレーションは全部、弟くんが担当するってことになったみたいだから、大変じゃないの?』
「いえ、僕もずっと
本来の予定では、ナレーションは僕ではなく
だけど、現場での作業の負担が多くなった分、代わりに僕が担当することになったのだ。
すると、
『あっ、そうだ。この最後のナレーション、付け加えたのは弟くんでしょ?』
どこか面白がるように、
それは、今日、まさに数時間前に、僕が
ギリギリのタイミングだったというのに、二人とも、何も言わずに僕の意見を取り入れてくれた。
きっと、あの二人は僕の心境に何かがあったことに気付いているのだろう。
本当に、優しい人たちだ。
そして、やっぱり
多分、昨日までの僕だったら、
だけど、昨日のことがあってから、僕の心はほんのちょっとだけ素直になっている。
だから、
「はい、少しだけ、みんなに僕のわがままに付き合ってもらうことにしました」
汐先輩が作ってくれた台本の最後のページに、僕が鉛筆で書いた最後のモノローグ。
これは、単なる僕の自己満足だ。
だけど、僕が今伝えたい、大切なメッセージだった。
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