第51話 甘すぎる僕のお姉ちゃんと作戦会議
『
「うん、問題ないよ。ごめんね、
僕がそう告げると、
『あんたねえ、もう何回目よ。あたしたちは大丈夫だって言ってるでしょ? ほら、
『!? 、 』
『ってことよ。分かったわね、
『 、 !?』
いや、
『とにかく、あんたはこっちのことは心配しなくていいから、自分のことをちゃんとやりなさいよ。失敗したら承知しないんだから』
「うん、了解」
僕が短くそう返事をすると、
しかし、
『ねえ、それで、
「えっと、まだ熱は下がってないみたい。さっき、身体の拭いたときに様子を見に行ったけど、顔色は随分よくなってたみたいだから……」
『かかかか、身体!? あ、あんたまさか!?』
『ちょっと!? いくら何でもそんなことまで……』
「……あっ」
「い、言っとくけど! 姉さんが身体を拭いてるとき、僕は一緒じゃなかったからな!」
いくら姉さんが大変なときだからって、そこまでこの僕ができるわけないじゃないか。
いや、朝にパジャマを着替えたときは一緒にいたけれど、それは今の状況を余計ややこしくしそうだったので言わないようにした。
ひとまず、僕の説明で
『そ、そうよね……あんたにそんな度胸、あるわけないわよね……、あたしのときだって、せっかくいい雰囲気だったのに……』
「ん、
『だ、大丈夫よ、馬鹿!
あれ、音声の調子が悪いのかと思ったけれど、別にそんなことはなかったらしい。
でも、とにかく
なので、念のためもう一度、最終的な調整を
「
すると、
『ないわね。
「そっか、ありがとう。ところで、
『ううん、さっき職員の人と一緒に打ち合わせに行くって離れちゃった。そのあとは子どもたちが来るから、案内の手伝いをしてくるって言ってたから、しばらく戻らないと思うけど、どうかしたの?』
子供たちの案内って、
どうやら、先ほどみたいに汐先輩は電話越しの相手だと、ブルースさんにバトンタッチはできないようなのだが、対面する子供相手なら、その役目はブルースさんが果たしてくれるだろう。
子供たちからみたら、かなり凄い腹話術の持ち主だからな、
『あとは、あんたが家にいるからって、緊張感がなくなることが心配なくらいね』
「ははっ……それは、むしろ緊張してるよ。なんたって、殆どぶっつけ本番なんだから」
そう、僕は今、自分の部屋で
本来なら、僕も
そこで、僕が最善の策として考えたのが、別のパソコンを使って音響の操作をすることだった。
もちろん、最初からこんなことを予定していたわけではない。
今朝、
僕の事情を知った
一応、念には念を入れて、
ただ、僕が自分の家に残る場合、三つの懸念点が発生していた。
一つは
これは意外と僕が一番心配していた要素だったんだけど、幸いにも
『任せて!☆
と、
『ちなみに、これが今日の
なんて文章と共に、カメラを向けられたからなのか、赤面して慌てる
少し肩を露出させた白いトップスに、水色のロングスカートは、いつもの元気な
そして、悪いとは思いつつも、こんな貴重な
とにかく、おばさんのおかげで、
そして、二つの目の懸念要素が、このリモート操作の設定を
現場の指揮をするのは
ただのアシスタントが、監督を無視した演出方法をとったら、現場が混乱するのは当たり前だ。
だから、
しかし……。
『 』
そして、いきなり、
「えっ……!? し、
ま、まさか、めっちゃ怒ってる!?
なんて、僕は冷や汗を垂らしていると、すぐに
これは、既に言ってしまっているので改めての説明になってしまうのは甚だ僕の回しが下手だという証左になってしまうのだけれど、声を発しなかったり、いきなり通話を切ったのは、
その証拠に、
僕は
そして、残る最後の一つはというと、これは僕が抜けてしまうことで必然的に起こってしまう、部員不足の問題だった。
そればかりは、どう頑張っても『僕が現場にいない』という事実を覆すことはできない。
僕には現場で音響を任されているだけでなく、ちゃんと配役や舞台のセットを用意するといった仕事を兼任していた。
なので、いくらネット通信が捗ったとしても、僕が現場でやらなければいけない仕事はたくさんあったのだ。
その穴だけは、僕はもちろんのこと、既に役柄が決まっている
――だから、あと一人だけ、協力してもらわなければいけない人がいたのだ。
『ひぃあ!?』
「か、
突然、通話中の華恋から悲鳴のような声が聞こえた。
もしや、何かトラブルが!? と焦った僕の耳に聞こえてきたのは、落ち着いた、どこか魅了的な声だった。
『ふふっ、お楽しみのところ、ごめんなさい。すっごく綺麗なうなじが見えたから、つい触りたくなったの』
そして、その声の主に向かって、
『な、何ですかそのふざけた理由は!? いい加減にしてくださいっ!』
しかし、その声の主は
『ねえ、弟くんもそう思うでしょ?』
そう言って、姉さんの親友であり、姉さんが一番信頼している人物。
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