第36話 eスポーツの五輪正式種目化に問う

 eスポーツが2024年のオリ・パラパリ大会から正式競技になるかどうかが話題になっています。2018年のアジア大会ではデモンストレーションが行われ、2020年大会では正式種目になる見込みということですね。若者の注目を集める狙いがあるのでしょう。eスポーツの対戦映像を見る限り、理解不足の私にとってはスポーツをモチーフにした対戦型のテレビゲームの延長程度の認識ですが、大きな誤解があるのでしょうか。日本国内だけでなく、若者のゲーム依存やゲームに費やす時間の長さと健康の関連も指摘されていますが、そちらへの影響にも疑問が拭えません。まあ、かつてはチェスなどのテーブルゲームもオリンピック競技だったことを考えれば、ある意味自然なムーブメントかも知れません。世界的にも若者に人気が高いということで、IOCも若者の取り込み策として考えているようです。


 そこで更に疑問が…。少なくともここ50年の大会で“”はオリンピック競技に採用されていません。無理矢理“e”と呼んでいるようにしか思えないこの「テレビゲーム」が正式種目になる場合、プレーヤーたちは“アスリート”ということになるんでしょうかね。そして、前文では“プレーヤー”と呼びましたが、もしかしたら“プレイヤー”の方が正しいのかも知れません。いずれにしても違和感満載です。


 しかし、恐らく両手でゲーム機のレバーを操作するであろう“スポーツ”ならば、上半身にハンディがなければプレイに支障はないはずですよね。ということは両腕と指にハンディがない障害者も参加できる可能性も開けます。バリアフリーと差別や偏見のない社会を標榜するIOCや関係団体がオリンピックへの障害者の参加を拒否しなければ、eスポーツのオリンピック正式種目化も悪くありません。障害者のオリンピック参加に門戸が開かれるのですから。これで、関係団体が参加を認めないならどうなるか? もう結果はお分かりですね。


 私のゼミで提唱している“オリンピックとパラリンピック”の統合は、バリアフリーや差別の解消を謳っているにもかかわらず、自ら“排除”の姿勢を崩さないIOCをトップとする関係団体の考え方の矛盾を指摘したものです。これまでも繰り返し比較の対象としてテニスのグランドスラムと呼ばれる四大大会を上げてきましたが、全豪、全仏、全米に加え、遅れていた全英オープンも『車いす部門』を設けました。つまり、四大大会の場合、オリンピックの後にパラリンピックが行われるような関係でなく、『メンズ』『ウィメンズ』『チェアーズ』とカテゴリー分けしただけで、全てが全豪であり、全仏であり、全米、ウインブルドンなわけです。もちろんに行われています。テニスにできることが、オリンピックに出来ないことの理由が理解出来ません。それを手助けする方策の一つとしてeスポーツが位置付けられるのなら正式種目化は大歓迎ですね。

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