第34話 文科省に教育改革を任せて大丈夫?
前回は私のゼミ員の大宮幹太が、オリンピックの開催地問題でお世話になりました。正義感が強い、いや強過ぎるきらいがあるのでソフトバンクホークスの松田宣浩に負けない「熱男~」になりましたが、彼の気持ちは他のゼミ員も私も共有しています。別に北海道に恨みがあるわけではないので、道産子のみなさん、お許し下さい。
それにしても、小池都知事の“圧”に押されたわけじゃないでしょうけど、『オリンピックのマラソンと競歩以外は開催地を変更しない』なて安請け合いしてしまって大丈夫でしょうかね、バッハさん。幹太が指摘したパラリンピックのマラソンなどはオリンピック以上に暑さ対策が求められるような気もしますが…。
さて、話は変わって同じ“ちゃぶ台返し”でも、こちらは文科省の大学入試共通テストの話。何年にも渡って議論を繰り返し、リハーサル的な試験も繰り返して準備をしてきたはずなのに、懸案の英語の民間試験の受付開始日になって記述式試験の導入見送りを発表しましたね。受験生に総スカンの『身の丈』発言をした安倍ファミリーの一人、萩生田光一文科大臣が。
きょうの衆院予算委員会で野党から辞任を求められ、『共通テストの“完成度”を高めることが自分の責任』的な答弁に終始しました。でも、毎年のように改造される内閣で何年も留任している大臣が何人いるか分かってるんですかね。今回も麻生副総理兼財務大臣と“令和おじさん”こと菅義偉官房長官だけですよね。台風や大雨被害で多くの自治体がダメージを受ける中、「雨男」発言をした河野太郎さんは外務大臣から防衛大臣に担務が変わりましたし、大臣予備軍が居過ぎて困ってるんですから。閣僚の辞任なんか、安倍総理にとっては渡りに舟なんじゃないかな、と。安っぽい「任命責任」を連発していますけど、辞任した閣僚には「元大臣」の肩書が残りますし、あとが詰まった“待機組”も効率よく大臣経験を“消化”できますからね。
話が逸れましたが、萩生田大臣が何と弁明しようと『あなたに責任持って共通テストを任せられる』なんて思っている人なんか一人もいませんよ。隣りでコーヒーを淹れているバイトの広海が『3人いるかも』って茶々を入れています。少し補足すると、憲法改正をめぐる議論の際、『賛成の憲法学者が3人いる』と子どもじみた発言をした菅長官への当てつけです。
きょうの集中審議を録画して観ましたが、文科省がいかにレベルが低いか、そして総理の関心が共通テスト実施延期よりも、加計学園問題に自身の関与がなかったことにあることが分かった審議でした。加計問題で言えば、答弁にかこつけて『私の関与がなかったことは既に明らかになった』とあたかも既成事実のように語りますが、前の国会でも総理自身の関与の疑惑は全然解明されていないのですよ。ついでに言えば森友問題も。この件はまた別にテーマにすることがあるでしょう。
共通テスト導入の杜撰さを少し例示しますね。これまでに複数回、英語のスピーキング能力や筆記能力試験と国語の記述式試験を試しに実施したわけです。その際の正解率を野党に問われた文科省の担当局長の説明に唖然としました。詳細は省きますが、各問題とも7%とか8%とか一番難問は1%未満とのこと。『殆どの受験者が解けない問題って意味あるの?』って誰もが思いますよね。『こんな恥ずかしい答弁を何の衒いもなくできる高級官僚ってどういう神経してんだろう』。広海が私の代わりに呟いてくました。現役の高校教諭だって、在校生の中間、期末試験でこんな高難度の問題出したら教師失格。これは現役教師の横須賀貢の言葉。もちろん。彼の言葉を借るまでもなくオレでも分かりますけどね。こんな常識外れの議論を何年も続けてきた事実も明らかになりました。外部の有識者も交えた会合を十数回重ねてきたらしいですが、最初の9回は非公開で議事録も非公開。何をか言わんですね。
しかも今後の見直しの中で、英語の記述式試験の検討に試験に携わる民間業者を入れないよう繰り返し求めた野党議員の質問に、大臣は明言を避け続ける体たらくぶり。組織のトップとして信用されないことだけが明らかになりました。
6日の集中審議では、辞任した大臣の任命責任を問われ続けた安倍総理が逆ギレし、今井正人議員に思わず飛ばした自身の野次に収拾がつかなくなるハプニングもありました。言い訳の論理が滅茶苦茶で見逃した方は是非、ネットで動画をお探し下さい。
与党と政府が忖度し合って、原稿を読み合うだけのこそばゆい国会は中継の価値も感じません(個人の見解です)。だって、互いに「先生」「先生」って呼び合って褒めちぎり合う質疑って何? って思いません?(個人の見解です)が。野党と政府のガチの質疑の模様はNHKは中継録画しているのですから、深夜の地上波やBSで再放送してほしいですね。民放だってテレビショッピングで金儲けする時間を削ってせめてBSでは録画中継をお願いしたい。日中のライブ中継は学生や就業中の社会人の多くは観ることができませんし、ニュース番組だけでは不十分ですから。深夜の録画放送なら、一部の議員が言うような『発言の一部が切り取られる』必要もありませんし。
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