清潔確約スイーパー 洗浄本舗ケイディ

「おそうじ、おそうじ〜〜っと」


ルクトル-ライカの長所はそのしつこさにある。

蝶番の隙間・カーペットに絡みついたごみ・床タイルの接合部1ミリも見逃さず、中にこびり付いた汚れを浮かせ、かき取り、輝きを取り戻させることに喜びを見出している。

当店自慢の従業員の1人だ。


「店長〜!まーたサボっていないで、仕事してくださいよ!レポートなんかより、現物で成果を見せれば良いんです!クライアントが望んでるのはただただ綺麗なお家にすることですよ。仕事人数の頭数には店長も入ってるんですからね!」


彼女は掃除の腕前もさることながら、人懐っこい愛嬌のある笑顔が素敵だとクライアント

からお褒めの言葉をいただく事もある。

だが、会社の人間に対しては厳しく接する一面もあるようだ。


「アンビさんが風呂場の掃除を3人がかりならやれるって言ってましたよ。私はお庭の様子見てきますから、そっちのお手伝いお願いできますか?」


前までは泣きながら箒を振るっていたのが嘘のように、一人前の洗浄屋らしくなっている。店長としても鼻高々である。

そして、彼女は庭の汚染度を確かめに、1人で屋外へと向かった。





「てんちょ〜。…店長!いつまでレポート見てるんすか?片付け進んでないっすよ」

「それに、ライカちゃんはもう戻ってこないんすよ」


「……あぁ。そうだったな」


そうして手にしていた紙束を、ゴミ袋へと投げ入れた。

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