第76話 仲直り
「あれ、私いつの間に家に戻ってきて・・・?」
シロが目覚めると、先ほどまであった威圧的なオーラが消えいつもの聴き慣れた声が戻って来た。
予想外の事態にはなったが、これで菜々は薬の効果は確信をもてた。
薬は間違いなく完成していた。だがその完成品は一本しかなく、もう一つ作るにはまだ時間が足りない。
つまり、今この段階でマキちゃんを元に戻すことは不可能なのだ。
しかし、この事は決して知られてはいけない。なんとか隠し切らなければ・・・
そう菜々が考えている間にマキはシロに飛びついていた。
「うわぁあああ!!!エリが無事でよかったよぉおおおお!!!」
「はぁ、急に何言ってんのよあんたは。あんなところに閉じ込めて気が狂いそうになったわよ」
「で、でもそれぐらいしないとエリは私以外を好きになっちゃうし・・・」
「・・・バカねぇ、私があんた以外を好きになる事はないわよ。本当昔から早とちりしかしないんだから。それと、今はエリじゃなくてシロ。エリはあんたが殺しちゃったでしょ?」
「だ、だってあの時は仕方がなかったんだもん!!」
「仕方ないで人を殺すんじゃありません!」
なんと言うか、私この場に必要ないのでは?と菜々は思っていたが今は何も言わず、二人の再会を喜び合っていてもらおう。
その間に私は失礼して・・・
「ちょっと待ちなよ」
この部屋から抜け出そうとした瞬間、マキに服の袖を引っ張られリビングに戻されてしまった。
くっ、二人がイチャイチャしている間に逃げ出そうっていう寸法だったのに・・・
何を言ってもおそらく帰す気はないと思うので諦めて先ほどまでいた位置まで戻る。
すると、マキが深々と頭を下げてきた。
「ごめん、私の勘違いのせいであなた達に迷惑をかけて」
「へ、そんな事?いやいや、別にいいわよ。今更だし」
「え?」
「マキちゃんがシロに対して並々成らぬ感情を持ってるのは元々知ってるし。高校の時なんか私相手にも」
「わ、わー!!」
「おっといけない。つい口が」
「お、覚えておきなさい」
「はいはい。それで、本題は何?これが全部ってわけじゃないんでしょ?」
「・・・やっぱりあなたは嫌いだわ」
「そうですかい」
マキは大きく深呼吸した後、菜々の目を見つめゆっくり話し始めた。
「私とまた、友達になってくれますか?」
マキが目を瞑りながらこちらに手を差し出してきた。
すぐに手をとってもよかったのだが、あえて手をとらずそのまま待ってみることにする。すると、数分後に腕がプルプルと震え始めた。
その様子を見てなお手差し伸べないでいると、ついにマキが顔をあげた。
「早く手をつかみなさいよ!!」
「あはは、ごめんごめん。つい面白くて」
「シロも笑ってないで何か言ってよ!」
「これは私が慣用する事じゃないかと思って」
「いや、これは関与して、むしろ注意してもよかったから!!」
散々笑った後、菜々はマキの手を取り、マキに向かって微笑んだ。
「ま、これからもいい友達でいようマキちゃん」
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