第57話コール

テントを立てて火を焚き、モーモウの肉を焼いて食べる。


「ほんと思うけど調味料て大事だなって思う。」


「....なんで二回言うのよ。」


「重要だから?。」


「なんで疑問形なのよ!、あなただって調味料忘れたでしょ!。」


「いやリンが私が持ってくるわ!、とか言ったから持ってこなかったんだろ!。」


「なによ、やる気?。」


リンは頭に血が上っているのかすぐさま槍を取り出し、ユウトに向ける。


だが、ユウトは槍を手で押し戻し、「静かにしろ。」と、ジェスチャーをする。


「おい、なんか森の方がうるさくないか?。」


そう聞いたリンは耳を澄ませる。


「....たしかに何か賑わっているわね。」


「ちょっと見に行ってみよう。」


「わかったわ。」


荷物は木の下に寄せて、ユウトとリンは最低限の武器を装備して明かりに向かって走る。


明かりに段々近づいてきて大きな岩の陰に隠れて覗いてみる。


するとざっと20人近くが宴会を開いて酒を呑みまくっている。


「おい、リンあれなんだ?。」


「私が知るわけないでしょ、本人たちに聞いてくればいいんじゃないんかしら?。」


「おう、じゃっ、行ってくるわ。」


テケテケ大岩から出そうになったユウトをリンは慌てて首根っこを捕まえて引き戻す。


「あんたふざけないでよ!、あんなところに一人で向かって行ったら死にに行くようなものじゃない!。」


「だってお前本人たちにきいてくれば?、て言ってたじゃん。」


「あれは言葉のあやよ!、それによく見たらわかるでしょ!あれは盗賊!、そんなこともわからないの!?。」


そんな喧嘩をしながら大岩からまた覗く。


するとユウトたちと同じくらいの女の子が手足を縛られているではないか。


「リン、あの女の子縛られてないか?、もしかしてそういうプレイとかか?。」


「そんなわけないでしょ、あれはきっとどこかで気に入られて連れ去られた人よ。」


「じゃあ助けてあげないとな。」


そう言ってユウトはムクっと立ち上がり、手足を回し始めた。


「そんなことできるわけないでしょ!?、第一この人数相手にしてたら負けに行くものよ!?。」


必死に訴えてくるリンにユウトはため息をつきながら言う。


「別に、真っ向勝負するって一言も言ってないだろ?。」


「....どういうことよ?。」


「だから....。」


ゴニョゴニョゴニョゴニョ。


ユウトはリンに案を伝えるとリンは無言でコクっと頷く。


「でもこんな作戦、本当にうまく行くの?。」


「わからん、でも試す価値はあるだろ?、開始は1分後だ頑張ってくれ。」


ユウトがそういうと、リンは草むらに入っていった。


作戦はこうだ。


まず、ユウトが大岩に乗って注意を引く。


そのどこかのタイミングでリンがソニックインパクトで女の子を担いでそのまま離脱。


最後にユウトが秘密兵器を使い、戦線離脱。


さっきのキャンプしていた大きな木の下で合流。


実に簡単な作戦だ。


よし、ちょうど1分経った。


ユウトは大岩を登り一番上のところに立ち、そして盗賊に向かって叫ぶ。


「おおーい!!、そこの野郎ども!!、耳の穴かっぽじってよ〜く聞きやがれ!!。」


すると盗賊たちが一斉に振り向く。


くらえ、もうすぐ17の俺がエロゲー遊んで一番印象に残ったあのシーンを....


スゥゥーと息を吸いって思いっきり叫ぶ。


「イクイクセーシイクイクセーシイクイクセーシイクイクセーシイクイクセーシイクイクセーシイクイクセーシイクイクセーシイクイクセーシイクイクセーシ............。」


盗賊たちは訳がわからなかった、酔った影響もあるだろうが、状況に対する情報が少なすぎて考えが全くまとまらないのだ。


一方リンは目の動向が少し開きかけていた。


何を話すかと思えばただのど下ネタだったことにこっちもこっちで考えがまとまっていないの。


だが、スッとわれに戻り、渾身の力でソニックインパクトを使い、女の子を抱えてそのまま離脱する。


その場でわかったのはユウトだけ、リンが女の子を攫って行ったのを確認したので、ユウトはイクイクセーシコールをやめて秘密兵器を取り出す。


盗賊視点から見ると筒状の何かには見えるがそれがなんなのかがわからない。


ユウトはそれの穴に指を突っ込みすぐに抜き、それについていたピンを引っこ抜いて大岩の上にセットする。


そして。


「じゃあな、バカども!!、あっははははははは....!!。」


捨て台詞を吐き、高笑いをしながらテントを張っている大きな木に向かってソニックインパクトをして飛ぶ。


残されたのは状況がいまだに読めない盗賊とユウトが置いて行った筒状の何かだけ。


盗賊が我に戻った頃にはもう遅かった。


トドメの一撃とも言える閃光があたり一帯を照らした。

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