第51話星のようなナイフ。
あれを使うか。
それはどっちが先に動くかで勝敗が決まる。
ユウトの頰に汗が滴る。
それが顎まで落ちて道に落ちる。
ユウトが動き出した。
タウがその動きに合わせて動く。
ユウトは〝あれ〟を使うためにある動作をする。
クルッと一回転をして敵に向けて前足を大きく突き出す。
そして刀をレンガが敷き詰められた道にかすらせて火花が散る。
その火花が大きくなり刀を包んで青と赤の炎が混ざり合った。
突き出した前足を強く踏み、上に飛ぶ。
タウもそれに合わせて右の拳を引く。
星の型、二式、流星!。
青と赤の混ざり合った炎の刀で右斜め上から下に斬る。
「グォ!!。」
タウが怯む。
が、ユウトのわき腹に拳を確実に叩き込んだ。
2人ともよろける。
「これほどまでに傷を負わせたものは初めてである、さあその命を持って償うがいい。」
「ふっふっふっふっ。」
肺が痛い、息が出来ない。
それでも俺は死ぬわけにはいかないんだ。
タウが近づいてくるとまだ動く右腕をあげて手のひらを縦に掲げる。
手刀で俺の首を斬る気か、後ろにはメイクとクルルがいる。
行け!腕を上げるんだ!。
「ウォォォラァァァァ!!。」
ユウトは左手でタウの服の襟首を掴み思いっきりこっちに引いて、無意識に義手のスラスターを使って力一杯顔を目掛けて殴った。
そのまま下に拳を向け、地面に叩きつける。
タウは意識があるが立ち上がる様子はない。
後ろから足音がする、新手か?。
もう振り向く力も残ってない、もう死ぬかもしれない。
「....ごめんね。」
ユウトの口から不意に出た言葉、誰に言ったかわからない。
すると後ろから抱きしめられる。
「....ごめんね遅くなって。」
ちょっと泣きそうな声で言ってきた。
おねちゃんだ。
「....ギリギリ勝ったよ。」
「お疲れ様。」
するとメイクも来た。
「どうだった?、お前の作った義手は、俺は最高だったぜ。」
と言ってユウトはニコッと笑う。
メイクも少し涙目になって言った。
「そうやろ?、妾の義手は最強なんや!。」
2人は拳をコツンと合わせて言った。
「「友情の証!!。」」
ちょっと時間が経つとクルルも起き上がってきた。
「クルル、無事だったか。」
「ユウト!、お前こそ大丈夫か?、てかベル姐もここにきてたのか!。」
「そだよ〜、クルルも久しぶりだねぇ〜。」
「それよりお姉ちゃん、こいつどうする?。」
そう言ってユウトはタウを指差す。
「そうだねぇ〜、とりあえず縛っちゃおっか!。」
そう言ってベルが縛ろうとする。
すると建物の上からタウと同じマントを羽織った人が1人。
「困るなぁ〜、そいつが捕まると色々面倒なんだよねぇ〜。」
一斉にマント姿の人に目線を向ける。
するといない。
どこだ。
振替直そうとするとすでにタウの横にいた。
「クッ!、先に撃ち抜く!。」
ベルが剣を抜きマントの人に向けて刺そうとする。
するとまるで夜空の満天の星を散りばめたような紺色のようなナイフでベルの剣を捌く。
「クッハハッハッハッハ、楽しいねぇ〜でもちょっとうざいからどいてね。」
何度か打ち合った後、マントの人に弾かれベルは少し下がる。
「はじめましてぇ〜、私、ゼタでぇーす。」
頭まで羽織っていたマントを取り、顔が露わになる、すると声がぐちゃぐちゃに混ざった声から女の透き通った声になった。
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