第33話成功したから良いよね。

無事工房まで運び出せたタングステンを見てメイクはユウトに聞いてくる。


「まだ何か要望はあるかいな。」


俺はナイフ以外に2つ言った。


一つ、義手の方もタングステンにしてほしいこと。


二つ、取り外しのしやすい設計にしてほしい。


「今はそのくらいかな。」


俺が言い終わると、メイクが手をシッシッ!みたいなことをして言ってきた。


「わかった、じゃあ作業に取り掛かるから学園の中をテキトーにうろついとけや。」


そう言われたので仕方なく建物から出て図書室に向かった。


理由はもちろん魔法やこの世界を知るためだ。


そんなこんなで、図書にこもったり、学校をあちこち探検したり、メイクのところに顔を出したりとすること5日が経っていた。


その日も朝食を持って朝早くからメイクのところに顔を出しに行く。


ドアを開けると、机の上にナイフと義手が置いてあった。


それを見ていると反対側のドアからメイクが出てきた。


「ふぁ〜、久しぶりによくねたぁ〜。」


「おはよ。」


俺が挨拶するとメイクはおはようさんとかえしてきた。


「あ〜、そういえばこの子ジョイント式なんや、だからお前さんも付け根を少し機械化させてもらうで。」


へーそうなんだ、ん?今なんて言った?。


「え!?、機械化?何言ってんだ!。」


それが慌ててそう言うと、メイクは耳元でそっと囁いた。


「大丈夫や、一部だけやし、寝ればすぐに終わる。」


「おい、まだ俺は何も言って.....。」


ゴン!


このペンチで殴られたであろう鈍い音とともに俺の意識はシャットダウンした。


気づいたのは手術が終わって1時間後ぐらいだった。


頭がボーとする。


起き上がってみると何か違和感がある。


右をふと見ると右の脇から肩が機械化していた。


「ふぅ〜成功したで!。」


「何が成功したでだ!。」


反射的に怒る。


当然だ。


いきなりペンチで殴られて気づいたら俺の身体が一部機械化してるんだ、誰だって怒るだろ。


「まあまあ、断りもなく弄ったのは悪こうたが、臓器とかは特に異常がなかったんやそれだけで勘弁してや?。」


テヘペロウインクでごめんねしてくる。


まあいい、成功したからな。


「これで義手をつけることができるんだよな?。」


「そうや、つけてみぃ。」


そう言ってメイクは義手を差し出してくる。


肩になるところと脇の部分のジョイントを合わせる。


すると、義手の方から接続棒が伸びて身体の方のジョイントに刺さる。


すると、キュルーンと言った独特な起動音がでる。


「動かしてみ。」


メイクがボソッとユウトに聞こえるように言った。


ユウトはメイクの方を見て頷きながら腕を上げようとする。


この後、大変なことになるとは2人は知るよしもなかった。

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