第84話 亡人
アーマードスーツを貫くマグナム弾
だが…かろうじて生身への到達は阻止されていた
その挟まる弾丸がこぼれ、地に転がった時
御見内の視界にスピットファイヤの背後でヌクっと立ち上がったバスタードの姿が映し出されていた
黒フードに上げられた軍配は水平へと戻され…
代わりに死亡フラグが上げられた時
ホムンクルス「う…後ろ…」
血の気がひいたホムンクルスの指さす先に
ふと気配を察知したスピットファイヤが背後へ振り向いた瞬間
バコン
人形から繰り出された豪快な右のストレートパンチをモロに受けたスピットファイヤ
首が360度回転され、元の位置へと戻った。
その間 首の骨のへし折れる音を奏でながら…
御見内はそれを目にし、思わず身を乗り出した。
これより戦況が一変する…
スピットファイヤが目を開けたまま即死 身を崩し、膝をつけるかつけぬかの間
デヴリボーイ「うぅ…」
デヴリボーイが苦痛な表情で見上げた瞬間
グチャ バコン
バスタードの強烈な前蹴りが炸裂
大樹にデヴリボーイの潰れた頭部が貼り付き、木が傾いた。
ホムンクルス「あああぁ」
バスタードが映すヴィジョンはほぼノイズのみと変わり…
あらゆるシステムがエラーを起こしているものの殺人プログラムのみはまだ正常に稼働
ホムンクルスが見ている前で今度はゼビウスの首が掴まれ、無抵抗に持ち上げられた。
それから強靭な握力で締め上げられ
ゼビウス「ぐがぁぁああぁぁ ぎゃああ」
ブシュュ~
そして 喉輪が握り潰された。
血を吹き出す首から離れた生首がコロコロ転がり落ち
今度はホムンクルス率いる18名の奴隷達へバスタードが振り向いた。
ホムンクルス「あ…ああ…」
ノイズでぼやける微かな人の形に次々狂ったロックカーソルが自動で合わされ
ホムンクルス「わあぁぁあ~」
バスタードによる殺戮遊戯が行われる。
逃げ出そうとするホムンクルスの背後に迫ったバスタードが背中を手刀で一刺
ホムンクルス「ぐはっ」
心臓部から血まみれの手刀が飛び出した。
そして貫かれたまま吐血するホムンクルスを持ち上げられるや
地面へと叩きつけた。
顔面から落下し、グニャリと180度にへし折られた首
首がありえない角度へ曲げられホムンクルスも物故した。
黒フードの司令塔を失い、残された18名もの廃人達
逃げろ 殺せの命令も下されず
ただその場に佇み、空虚な瞳に人形を映していた。
そして その集団の中央へと入り込んだバスタード
繰り広げられる惨劇に御見内はたまらず視線を逸らす事となる。
奴隷達の視線を一身に集めたバスタードが前方に位置する奴隷の腕を掴み…
引きちぎった
それから血飛沫が舞い、次々と惨殺されてゆく奴隷達
1人、2人頭部がかち割られ、3人、4人腕、首、脚がもぎ取られ
もはや四分五裂するこの場はバスタードの独壇場
一方的暴虐の限りでこの場が席巻されていった。
それは4~5分も時間を要しなかっただろう…
御見内の逸らされた視線が向けられた時 その先には…
木々が濃色の血に染まり
小枝に引っかかる腸らしき内臓物
手足がバラバラに切断されパーツが周囲に散らばったその中心にボディーアーマーまで真っ赤に染まったバスタードだけが直立していた。
軽機関銃など無くても尋常を逸したパワーを持つバスタード
バスタードは索敵するように周囲をキョロキョロしだした
すぐさま木陰に隠れた御見内
あいつの放置は今後危険過ぎる…
何としてでもこの森でケリを着けなければ…
倒すには…
あの大型リボルバーが必要だ…
スピットファイヤが所持していたあのスマイソンに目をつけた御見内
周回を見渡したバスタードが歩き始めた。
それを目にした御見内がバスタードに気づかれぬよう木陰から飛び出し、スピットファイヤの死体へと近づいて行った。
遠ざかって行くバスタードの背を気にしつつ、慎重な足取りで猟奇的な集団バラバラ死体現場に入り込んで行く
これをたった1体がホントにおこなったのか?…と疑ってしまう程
スピットファイヤの死体さえ見失う程 血で染まる凄惨な死体の数々を見下ろした。
御見内は転がる手足のパーツを拾いどけ、亡骸をどかし、スピットファイヤの死体を探す
どこいった…
お目当ての死体を探していた時だ
早速あのウザい現象が起こりはじめた…
血まみれの指がピクリと動き
「う…うぅうぅぅ」
微かに耳に入ってきたあの呻き声
御見内は目を細め、周囲を見渡した。
五指が動き出し
腕が動き
ゆっくりと頭部が上げられてゆく
脳に損傷が無い、今殺されたばかりの奴隷の死体等が蘇り始めたのだ
手足が欠損した奴隷ゾンビが5体復活を遂げ、ゆっくりと起き上がった。
また180度頭部が反り返ったホムンクルスと名のる黒フードの死体も蘇り
「うぅうぅぅ うぅう」
そして
探していた あのスピットファイヤの死体もゾンビとして自ら起き上がり始めた。
ゾンビ化した7体が御見内の周囲に現れる
御見内は更に遠ざかって行くバスタードの後ろ姿を確認した後
周りの迫り来るゾンビ等を見渡し、独り言で呟いた。
御見内「はぁ~ 人肉ならその辺に嫌というほど転がってるだろうに……なんでこう俺の邪魔ばっかするんだ…?こっちはケツに火着いてて急いでんだよ」
おまえ等と戯れる気はねぇー…
ソッコーで決める…
偃月刀を両手で握り締めた御見内がすかさず踏み込んだ
まず両腕が欠損した奴隷ゾンビの額に刺突、次に腹から内臓物が飛び出す奴隷ゾンビの脳天に一振りされた偃月刀
次いで横振りの一撃で奴隷ゾンビのこめかみをえぐり
後頭部に刃を叩きつけた
一瞬にして4体のゾンビを葬るや
今度は偃月刀を槍投げの構えで持ち替え、そのまま投擲
奴隷ゾンビの額に的中させた。
残りは3体
御見内は次に向かって来るゾンビの背後へと周り込みながら肩に引っ掛けられた和弓を手に取り、素早く弓矢を装填
そして2矢連続で放射した。
グサッ グサッ
奴隷ゾンビの口頭部、首が背中まで折れ曲がり逆さまなホムンクルスの額にそれぞれ矢が突き刺される。
そして残すはお目当てを懐に隠し持つスピットファイヤのゾンビのみとされた
御見内は素早く弓矢を装填し、解き放とうとした その時だ
真横の木々の合間から突然現れた黒フードの姿を横目で捉えた御見内
そいつはロシア製のサブマシンガンをこちらに向けていた。
こいつ…
そう…黒フードはまだ1人残っていた…
ジャメヴ「貰ったぁぁ~」
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