第83話 軍配
黒フード達に襲いかかる人形の背を目にした御見内
デヴリボーイ「うわ」
急に向かって来たバスタードに慌てる2人
バスタードがデヴリボーイに目をつけ突進してきた。
両手を広げ、捕まえようとする仕草で
パァン パァンパンパァンパン
接近するバスタードに焦りとヤケクソの表情で至近距離から発砲するが無論奴は止まらない
バスタードはそのままデヴリボーイに迫り、捕まえようとしたのだが…
それはスカされた
バシャ~ ザザァァァ
濡れた枯れ葉と水溜まりを撒き上げバスタードは勢い余って転倒、デヴリボーイは間一髪横へと逃れていた。
ゼビウス「おい 大丈夫か?」
デヴリボーイ「あぁ」
急に向かってきたバスタードに目を向けた2人の前でゆっくりと奴は起立する
そのさまを目にする2人は一瞬身体を硬直させ、起き上がる人形をただただ眺めていた。
そして完全に起き上がるや
黒フード達へ振り返ったと 同時に
また掴みかかろうと襲いかかってきた。
今度はゼビウス目掛けてだ
ゼビウスが咄嗟に大木の裏へと周り込むや、突進するバスタードはその大木へモロに激突させた。
枝が激しく揺れ動き、幹も激震する程のクラッシュ
幹を挟んでゼビウスも間一髪 木の陰に逃れた…と思いきや
右腕が伸ばされ、手が回され
ゼビウスの装束の袖が掴まれた。
すると ゼビウスの身体は軽々と持ち上げられ
強引に地表へと叩きつけられた。
ゼビウス「くはっ」
枯れ葉が舞い、口から吐き出された涎が空中に散布される。
そして再び身体が持ち上げられ
ゼビウスの身体が大木に打ちつけられた。
ゼビウス「かはぁ」
大木へ背中からダイレクトに直撃
ゼビウスは目を見開かせ、ハンドガンが手から放れた。
また 顔がうつむき一瞬にして脱力した背中がズリ落ちる
バスタードが三度目の持ち上げをしようと掴みかかるや
パァンパンパァンパン
デヴリボーイの発砲
だが… やはり至近距離だろうと銃弾が効かない
バスタードが腕を伸ばし、デヴリボーイの胸倉を捕まえた。
逆に捕まり、そしてデヴリボーイも大木へと叩きつけられた。
ドカッ
デヴリボーイ「はぐっ」
一発でノックアウト寸前な叩きつけ
呼吸困難に陥りデヴリボーイも大木からずり落ちた。
またゼビウスの身体も再度大木へと投げつけられ、叩きつけられた。
黒フード2組が倒れ
それをジッと見下ろし、仁王立つバスタード
御見内がその様子を木陰からジッと傍観していた。
バスタードを前に生身の人間など相手にならない
バスタードの勝利は確実かと思われた時
御見内の目に映ったのは…
トドメとばかりに人形が両腕を伸ばした。 次の瞬間
ドォー
1発の大きな発砲音が鳴り、後頭部に命中
今まで銃撃を受けても微動だにしなかった筈のバスタードの頭がぐらついた。
ゼビウス「うう…」
デヴリボーイ「くっ」
半分朦朧とする意識の中、顔を上げた2人
バスタードもゆっくりと後ろを振り返り
御見内が目を向けた先には…
スピットファイヤ「キャラバンを殺したのはこいつだな…おい 好き勝手に暴れてくれたようだが… そこまでだ故障中のポンコツ人形…」
ホムンクルス「なんだあの格好? 鎧…?」
スピットファイヤ、ホムンクルスと名乗る黒フードを筆頭に総勢18名もの奴隷達の姿が見られた。
ゼビウス「遅ぇ~よ 待ってたぜ…うぐ…」
スピットファイヤの手には大型のリボルバーが握られている
見た目はコルトパイソンそのもの
だがこれはスミス&ウェッソン社とコルト社の夢のコラボ品
スマイソンと呼ばれる大型リボルバーだ
スピットファイヤ「今大事な賭けの最中なんだ そいつらまで死んだら賭けにならない…」
ゼビウス「ふざけ… うぐぅ」
バスタード「……」
それからスピットファイヤが御自慢の愛銃をアピールしながら口にした。
スピットファイヤ「俺がこいつを手に入れるのにどれ程苦労したことか…この高価な代物で…」
そしてスマイソンが人形へと向けられ
スピットファイヤ「その高価に見合ったマグナム弾の威力を味わらせてやる」
バスタードが1歩踏み出すや
ドォーン
反動でリボルバーの銃口が大きく跳ね上がり、バスタードの胸部に命中
貫通力に優れ、殺傷能力の高いトカレフ その改良版であるマカロフでいくら撃ち込んでもビクともしなかったあのアーマードスーツに初めてヒビが生じ、弾丸が食い込んだ
そしてバスタードの身体が仰け反る
木陰に隠れる御見内はその光景を目撃し、驚きの表情を見せた。
そしてスピットファイヤが素早く踏み入れ、人形の顔部にスマイソンを突きつけた。
スピットファイヤ「お味はどうだ?38のマグナム弾の味は格別だろ… 強力だろ…? 最高だろ 残念だがおまえは賭けの対象外だ 従順さを忘れた欠陥品に…用は無い 即廃棄処分する」
そして引き金がひかれた。
ドォーン
ゼロレンジからの発射
バスタードの顔部が大きく跳ね、仰け反り、倒された。
無敵な防御力を誇るあの鉄壁を…
本当にあの人形を倒しやがった…
木陰から戦局の行方を観戦する御見内は唖然とさせた。
あのリボルバーは… 厄介そうだ…
うつ伏せで倒れ込んだバスタードは水溜まりに顔をうずめながら沈黙
ホムンクルス「すげぇ~ 威力…」
強力なリボルバーの登場により軍配は黒フード達にあげられたと思われた…
バスタードはうつ伏せたまま沈黙を続け、起き上がる気配が無い
スピットファイヤは人形に背を向け、リボルバーの薬莢を取り出しながらホムンクルスの元へと戻りはじめた。
スピットファイヤ「このマグナム弾一発2000円したんだ ガラクタを倒せて当然だ」
ホムンクルス「いくらしたんですか それ?」
スピットファイヤ「拳銃本体とマグナム弾、清掃セットなどもろもろフルセットで420万 お得だ」
ホムンクルス「400万?? それ本体価格はいくらですか?」
スピットファイヤ「320万だ ビビる程高級だろ」
ホムンクルス「確か前に密輸でしかもフィリピン経由とか言ってましたね… 相場はよく分かりませんが多分… ボラレてますよそれ…」
スピットファイヤ「こいつは俺の貴重な宝だからな いざという時にしか使わない…あとはこいつで十分だ」
全く話しを聞いてないスピットファイヤがスマイソンを懐に仕舞い、代わりにマカロフを取り出した。
スピットファイヤ「ホムンクルス マスラにクレームを入れておけ プロトタイプは誤作動起こし、失敗に終わったとな… それと こちらで処理しておいたと加えておけ」
ホムンクルス「了解」
スピットファイヤ「さぁ 兎はまだ狩ってないぞ 続きを再開する」
勝利ムードなスピットファイヤ
その背後でムクッと起き上がりし姿…
スピットファイヤ「おい ゼビウス デヴリ いつまで寝てる気だ 勝負はまだついてないんだ さっさと狩りを続けるぞ」
奴はまだ死んでいない…
バスタードがスピットファイヤの背後で既に起き上がっていた。
ザザァァァ~複数の… ザザザザ…スタンス ザァァァ~ ロックオ…ザァァァ~ 武殺処理続行…
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