第8話 エマは三つ子なのです
「エンマ!テオ君とニナちゃんからスカイチャットですよ。」
デイモンがチャットアプリを起動したタブレットを持ってエマを呼ぶ。
エマは天界での暮らしにも不満を感じたことはなかった。
天使は数百年おきに、神力溜まりからポコっと天使が生まれる。たくさん生まれることもあれば、少ないこともある。いつ、何人生まれるかは神々にも予測できない。
エマは三つ子の天使だ。
男の子のテオと女の子のニナとエマの3人でポコっと生まれた。天気が良く気持ちの良い日だったことを覚えている。3人で固まってまどろんでいたら大人たちが迎えにきてくれた。茶色い髪のテオと、金色の髪のニナと赤毛のエマ、3人はいつも一緒だった。魔界ランドで目覚めてから、一度も会えていないが、2人のことを考えると胸の奥がポカポカとした気持ちで満たされる。
目覚めた日、デイモンがタブレットでスカイチャットのアプリを起動してくれて二人と話した。二人ともデイモンよりも大人になっているのにアプリの向こうで泣かれてしまった。すでに成人して仕事を任されているため、すぐに会いにくることが難しいこと。業務を整理次第、魔界ランドに駐在できることになっていると聞いた。早ければ2~3週間で赴任予定とのことだった。
デイモンに渡されたタブレットを覗くと23歳のニナとテオが映っていた。
「ニナちゃん!テオ君!」
「エマちゃん。私たち、来週にはそちらに行けることになったの!」
褐色の肌に金髪で気の強そうな美人のニナは音楽の加護に恵まれ、音楽家として活動している。公演場所は天界だけでなく、この魔界ランドや地獄、エルフの森、魔人国、獣人国など様々で、住む場所が天界でなければならない理由はないが、天界の外交官であるテオはそうはいかない。
エマが目覚めたら魔界ランドに赴任することは以前から決まっていたが、実際に赴任するとなると現職の引継ぎ等、やらなければならないことも多かった。
「ニナが先に行ってもよかったのだけれど、やっぱり一緒がいいかなって話し合ったんだ。」
「嬉しいです!ニナちゃんもテオ君も早く会いたいです!」
小さな羽をパタパタさせるエマの隣でデイモンは赤い舌をでろんと垂らしながら尻尾を振っている。
ちなみにテオとニナは恋人関係だ。
天使には近親者での結婚は普通にある。エマたちは三つ子だが血縁関係はない。
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