第13話 まだ一日しか経ってないよ...

濃すぎる高校生活一日目が過ぎ、高校生活二日目の朝がやってきた。

コミュ障君こと、 小宮 翔太郎はまだ朝にも関わらず、汗をどっぷりかいていた

なぜかって?もうわかるでしょう遅刻常習犯なんです、コイツ


「やっべえええええぇぇぇぇぇっっっ!!! 」


必死にペダルを漕ぎながら、学校までの道を駆け抜ける小宮。

その甲斐あって、小宮は本玲ギリギリで席につけた。


「お、おはよ、犬塚さん」

「............おはよ」


小宮は、隣の席の黒髪ロング美少女こと犬塚 あかねに、少しだけ気まずそうしながら声を掛けた。

あかね本人はというと、少し不貞腐ふてくされた態度でしかし無視すると言う訳でもなく小宮に挨拶を返した


「えーと......」


「昨日のハンカチはどうも」


「あ、ああ、気にしないで」


「それで聞くんだけど、なんであんな酷い事言ったのに

わざわざあんなことしたの?」


「いや、それが俺自身もよくわかんなくて......」


「なにそれ......」


「体が勝手に動いたっていうかなんていうか」


「全然意味わかんないんけど」


「ま、まあとりあえずなんともなくて良かったよ」


「っ......なにそれ、私より上の立場に立ったつもり? 」


「いや別にそういう訳じゃ......」


「いいよ、分かった。今日放課後私のとこに来て」


「いや私んとこって席となりだけど......」


「それじゃあまた後でね」


「いやだからまた後でって席となりなんだけど......」


小宮のあかねに対する冷静なツッコミも虚しく無視され、

結局小宮とあかねは放課後まで一切話さなかった。


「「さよならー」」


「放課後ですけども......」


「それじゃあいくよコミュ障君」


「い、行くってどこに? 」


「ファミレス」


「ファミレス......?あ、いやお礼とかは全然いいよ本当にきにしな......」


「全然違うけど」


「あ、はい、すみません」


良く分からない距離感の二人の間で交わされている会話に、聞き覚えのある声がかかった


「一日で何があったの二人とも......」


「ん? ああ、相坂さん。どうも」


「あいなんちゃらさんこんにちは」


「いや相坂だからわざとだよね犬塚さん......」


「それでどうしたの? もしかして一緒に帰る友達いないとか? それなら......」


「違うから黙ってコミュ障君」


「調子乗ったのは謝るけど色々と訂正したい部分があるんだけど......」


「コミュ障君はほっといていいよ相坂さん、それでなにか用でも? 」


「いやいつの間に二人とも仲良くなったのかなーって」


「ああいやそれなら......」


「黙って」


「はい......」


「そんな仲良くなんて全然ないけど勘違いじゃない? 」


「だってファミレス行くって言ってたし......」


「っ......ま、まあとりあえず仲良くなんてないから。

忙しいから行くね、じゃあ」


その場を立ち去ろうと、あかねが後ろを向いた瞬間「待って」と

相坂はあかねを呼び止めた。


「私も一緒に行っていいかな......? 」


思いがけない発言をした、相坂 紗綾 の頬はほんの少しだけ赤らんでいるように見えた。


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コミュ障の俺が彼女なんて出来る訳がない。 だちょ @datch0

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