体重計

　やたらに中性脂肪が増えて、血糖値が上昇し、善玉コレステロールが、下がった。

　体重は、当然増えて、80キログラムを超えました。

　体重計さんが言うのであります。

　『やましん、重すぎるよ。次回下がってなかったら、しばらくは、計測を拒否します。』

　『んな、むちゃくちゃ言わないでよ。計るのが仕事だろ？』

　『適正な労働環境が確保されなければ、働かないよ。』

　『あのなあ……………』

　しかし、そんなに簡単に体重が下がるわけもなく。

　体重計さんは、計測を止めました。

　　　　　⚖️⚖️⚖️⚖️⚖️⚖️⚖️⚖️⚖️⚖️⚖️

　あれから、３年。

　体重計さんは、階段の隙間に押し込まれたままでした。

　電池も切れて、動きません。

　社会から引退したやましんみたいです。

　あるひ、体重計さんが、ふと、話しかけてきました。

　『あの、やましんさん。一回くらい、計ってやるから、電池いれろなや。』

　『一回のために、電池買えないだっぺ。』

　『じゃ、にさんかい、計ってやるからさ。』

　『ふうん…………』

　大巾な妥協案であります。

　妥協は、するべき時にしないと、また、長く膠着状態になりますし、ほかに話してくれる人もなし。

　ぼくは、電池を入れてやりました。

　『やた〰️…🌠　ほら、はかっちやるから、乗っかれ。』

　『んだ。』

　体重計さんは、なんと、前回よりも、10キロも痩せた70キロと、表示したのでした。

　　　　　　　　　⚖️⚖️ｵﾏｹ!