8人出口

 映画に小説にと大ヒットの「8番出口」。元はPCゲームプラットフォームのsteamで配信されたインディーゲームで、「無限に続く空間から異変を探して脱出する」という不気味な世界観と間違い探し風のゲーム性の融合がヒットし、8番出口に影響を受けた「8番ライク」と呼ばれる無数のフォロワーゲームを生み出した。

 検索ワードの「8人出口」もその名からわかるように8番ライクのひとつだ。ゲームをスタートするとプレイヤーは狭くて真っ黒な空間にぽつんと立っている。周囲には看板やポスターはおろか壁や天井も何もないが、本作はれっきとした異変探しゲームであり、プレイヤーはこの何もない空間で異変を探して脱出しなければならない。では、どこに異変があるのかというと、ずばり「プレイヤーの体内」である。このゲームでプレイヤーはなんと自分の両手で自分の腹を引き裂いて、体内から臓器を引っ張り出し、臓器に異変が発生していないかを確認するのだ。大腸が極端に短かったり、胃に人間の顔が浮かび上がっていたり、肺のあるべき場所に巨大なカマキリの卵があったり、左の腎臓がぶつぶつ聖書の言葉を喋り続けていたりと、異変の種類は非常に多くどれも不気味で、ゲームとしては意外に(?)しっかり作られている。また、血液混じりで描かれる臓器のグラフィックは写真のように生々しく、一人称視点で自分の腹から臓器を引っ張り出すという体験も相まって本当に痛みを感じるほどリアルであり、本作が『検索してはいけない』なのも頷ける。

 さて、肝心のゲームルールについてだが、本家8番出口では「異変があったら引き返し、異変がなければ進む」だったのに対し、8人出口では「異変があったら臓器を根こそぎ引っ張り出し、異変がなければ腹に戻す」という凄まじいルールとなっており、タイトルが示す通り、それを8人分(とはいえ全部自分なのだが)繰り返さなければ脱出できないのだから気が遠くなる。ワンコイン以下という低価格なので、勇気と興味がある方は実際にプレイしてみてはいかがだろうか。なお、言うまでもないことだが、本作は映画化の予定はないようだ。

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