被洗脳兵とアンドロイド少女

アンドロイド兵でも良かったけど、生身なのも……良いよね。


精神操作魔法とかそういうのがあるファンタジー世界。

奴隷として売られて武装組織に買われ、確立された手軽な洗脳魔法で自我を奪われ、雑魚兵士として日々を送る少年。

ある日、彼の前に「古代兵器ロリメイド」やら「オーサカ最強の小型家政ロボット」などと自称する不思議な少女が現れる。

暇の多い彼は、敵対する意思もなく、何に属すでもない彼女と駄弁り友達になる。

少女が語るには、かつてその世界には魔法の代わりに「科学」なるものが溢れていて、魔法は存在すら信じられておらず、科学を使っていた人々は、ある日空から現れた今の魔法を使う人々によって大量に殺され、残りはどこか遠くへ追い出されてしまったという。

そして少女は、彼に戦い方を教わりに来たのだと告げる。

彼は、重要度の低い情報しか持っていない事を自覚していた為、少女に親身になって戦闘術を教え込む事にする。

少女との日々に、僅かな自我が芽生えていく彼だったが、被洗脳兵は週1ほどで必要でない記憶を消され、洗脳し直される為、毎週のように少女に怪訝な態度をとった。

それでも、時折ノイズのように垣間見えるのは、塵ほどの救いも無かった幼少期や、雑魚兵士になってからの中身の無い日々……。

そうして彼は、引き剥がされた記憶に興味を持たなくなっていった。

それでも教えを乞う少女に、また戦闘術を教え、日記をつけ始める。

そうして日々の記憶を「セーブ」する事にした彼は、ついに確かな自我を手に入れるが……。


そこには小さな感動と、点滴に繋がれた重篤患者のような現状があるだけだった。

そして、少女は彼を「シャチク」と呼ぶようになった。


……っていう日常もの。

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