第120話当麻家
総一朗と戦えば時間がかかる上に増援が来る事は確実だ。
「貴方の相手をしてあげたいんだけど……色々とやる事があるの……だから、貴方の相手にはこの人にお願いするわ」
ドレアの隣で魔法陣が現れる。
魔法陣が消えると一人の男が立ち尽くす。
ドレアは不適な笑みを浮かながら総一朗を見つめる。
「……親父」
総一朗は魔法陣から出てきた男を見つめながら告げる。
総一朗が父と呼んだ男は右手から炎を勢い良く出す。
その炎は形を変えていく。
炎を剣の形になり、固定される。
「それじゃ、後は頼むわね。私と戦いたいなら、父親を殺してから私の前に立ちなさい」
炎は揺らめく事無く、剣の形であり続ける。
これは
炎を強化しながら形を固定させるのはかなり難しい事だ。
少しでも気が緩めば剣の形で固定された炎はただの炎に戻る事になるが、総一朗の父は未だに炎を剣の形で固定を続けている。
その強さは息子である総一朗が一番理解している。
総一朗は黒魔剣に炎を灯す。
黒魔剣は炎に包まれる。
二人の男は全く同じ炎の形をした剣を握る。
形は同じだが、一つ違う所がある。
それは、総一朗が黒魔剣を使っている所だ。
これにより、総一朗は有利に戦えるが、総一朗の顔色は優れない。
その答えは……
総一朗の父は魔法陣を出現させるとその魔法陣に左手を入れる。
魔法陣からある物を取り出す。
「……黒竹光」
父親が出した黒色の竹刀を見て、総一朗は黒竹光に呼び、警戒を強める。
父親は素早く、総一朗の元に移動すると黒竹光を振るう。
総一朗は炎に覆われた黒魔剣で対抗する。
普通の竹刀なら軽く切断出来るだろうが、黒竹光は切断される様子も無い。それどころか黒魔剣を覆っていた炎を吸収した。
これこそ黒竹光だ。
黒竹光はパラス・スケールが錬金術で造った竹刀だ。
物体以外を吸収する竹刀は吸収したものを放出する事も出来る為、魔法キラーとしても役に立つ他、能力、異能力の物体以外も吸収出来る。
その恐ろしさは幼き頃から見てきた総一朗が一番理解している。
黒竹光がある以上総一朗の魔法は殆どが無力化されるのは目に見えている。
つまり、総一朗は黒魔剣のみで戦うことを余儀なくされる。
昔から総一朗は黒竹光の使う父親に勝てずに居た。
そんな父親が目の前で操られている事実に苛立ちを募らせる。
当麻家の当主として憧れていた父親が一人の少女に抗う事も出来ずに居るそんな弱い父親を目の前にして総一朗は黒魔剣を強く握り締める。
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