第117話 幻覚に覆われる北海道

「お前らはチーム[カオス]と[ハンド]が居る。どちらか東京本部に戻れ」


琴音は直ぐには答えを出す事は出来なかった。


「東京本部にはチーム[ハンド]を向かわせるわ」


琴音の近くに転移魔法によって移動してきたドレアは告げる。


「ドレアさん」

「悪いわね琴音、後は私たちがやっておくわ」

「……任せます」

「えぇ、安心して」


ドレアは琴音の足元に転移魔法を発動させる。

琴音の足元に魔法陣が展開する。


「ブレアはどうするんですか?」

「……彼女にはやって貰いたい事があるの」


ドレアがそう言い終わると琴音は姿を消す。


「私は何をすれば?」


残されたブレアは疑問をドレアに投げつける。


「貴方が刺した旗……全て消して」

「待って下さい。私の女神の旗ヴァルキリー・フラックの効果で地上からの侵入を阻止しています。今、消せば地上からの侵入を許す事に……」

「分かってるわ。早くしなさい」


ブレアはドレアの考えが全く理解出来ない。

しかし、ブレアはドレアの指示通り動く。

ブレアは目上のドレアに逆らうまいと動く。


「全部消しました」

「そう、ありがとう。貴女も東京本部に戻って貰うわ」

「はい」


ブレアは転移魔法により、東京本部に転移された。

ドレアは一人残る男を見つめる。


「貴方も転移させましょうか?」


ドレアは間の前に居る男に対して告げる。

男は無言のまま、その場を後にする。

そんな男に対してドレアは殺意を隠しきれずに居た。


「ドレア様」


ドレアは後方から聞こえる声に振り返る。

そこにはドレアが最も信頼している女ールーナ・アルジャナースが立っていた。

転移魔法でやって来てそうそう自身の名前を呼んだと理解し、ドレアは会話を進ませる。


「どうかしたの?」

「三羽烏が」

「分かっているわ。ルーナ貴女はチーム[カオス]を連れ、東京本部に戻りなさい」

「しかし……」


ルーナは言葉の途中で止める。

ドレアの全身から黒いオーラが放出されている。


「早く、行きなさい」

「ご武運を」

「えぇ」


ルーナは転移魔法により、移動を始める。

ルーナの移動を確認するとドレアは全身から溢れる黒いオーラを放出させる。その黒いオーラは北海道支部全てを包む。


「二段階式の魔法陣は壊してくれたみたいね」


ドレアの唯一の心配事は二段階式の魔法陣を元にした結界魔法の破壊が終了しているかどうかだったがドレアが北海道中に幻覚をかけられる事から北海道支部への攻撃も可能になった事が分かる。

ドレアは幻覚が覆い尽くす北海道の街をゆっくりと歩き出す。

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